AI(人工知能)入門の入門 遅れを取りたくない人のために 

AIを学ぶ手掛かりは?

 AIは、すでに実用化されています。このことさえも、ともすると忘れがちな方へ、遅れを取りたくないと思われるなら、ぜひ参考にしていただければと思います。

 2017年6月25日に放送されたNHKスペシャル「人工知能 天使か悪魔か 2017」は、かなりの衝撃だったのではないでしょうか。私もしばらく、ぐったりしてしまいました。とくにタクシーの乗車率が20%も上昇するという話。AIの指示する場所へ行った方が儲かるのです! こんな未来、想像していなかったので「なんか違う」とも感じつつ、でも競争に勝つには優れたAIを経営に導入しなければいけない、と考えても不思議ではありません。

 NHKでは、2017年7月22日(土)に「シリーズ 未来解析AI プロローグ 2020 その先のニッポン (仮)」も予定されています。このあたりをキャッチアップしていくことは、最低限、必要でしょう。テレビでやるようになったら、もう遅い、という人もいるぐらいですから。

ビジネスのための使えるAI

 そして、週刊東洋経済 2017年7/8号では「ビジネスのための使えるAI」を特集しています。dマガジンでも読むことができます。

 

 一読して感じたことは、先のNHKスペシャル同様、すでにAIは戦力になっている、ということでした。と同時に、AIへの関心はいまがピークで、このあと下がっていきそれから本格化するだろうというロードマップや、専門家から間違った期待感への警鐘、間違った危機感への警鐘も寄せられています。これだけで理解することは難しいかもしれませんが、NHKスペシャル同様「こりゃ、知っておかないとマズイな」ということだけは確認できるはず。

参考になるAIについての本

 なお、この特集では次の5冊を参考書としてピックアップしています。順不同で紹介します。

『人工知能は人間を超えるか』(松尾豊著)

 アマゾンでは100を超える5つ星を獲得。しかも星の数の少ない人のレビューでも、本書を批判している人はほとんどいません。すごいな。文句なしの推奨本と言えるでしょう。
 著者の松尾豊氏は東京大学大学院工学系研究科総合研究機構、知の構造化センター、技術経営戦略学専攻の特任准教授。東大のサイトはこちら。Wikiはこちら。1975年生まれで、香川県立丸亀高校から東京大学へ。そして工学部電子情報工学科卒となっています。

『人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質』(山本一成著)

 ご存じのAI将棋プログラム「Ponanza」の作者である山本一成氏の著書。愛知学院大学特任准教授、東京大学先端研客員研究員、HEROZ(株)リードエンジニアという肩書き。ツイッターはこちら。はてなブログの「山本一成とPonanzaの大冒険」も知られていますね。本書はレビューに指摘があるように、AIの全体像を知りたい人には向いていないかもしれませんが、リアルを知るにはいい本だと思います。

『ビジネスパーソンのための 決定版 人工知能 超入門』(東洋経済新報社編集)

 こちらは、「天才棋士・羽生善治氏vs.AI研究の第一人者・松尾豊氏がスペシャル対談」という記事もあって、とりあえず読んでおくのには手に取りやすいかもしれません。羽生善治氏はNHKスペシャルでもAI特集のキーマンなのです。

『60分でわかる! 機械学習&ディープラーニング 超入門』(機械学習研究会著、株式会社ALBERT データ分析部 安達章浩著、青木健児監修)

 技術評論社による手堅い「超入門」。60分でわかるかどうかは、読者しだいなのですが……。図の豊富なところが入門としてはありがたいですね。
 本書の執筆に参加している株式会社ALBERTは、ビッグデータ銘柄として知られるマザーズ上場企業です。ツイッターはこちら。企業サイトはこちら

『人工知能の核心 (NHK出版新書) 』(羽生善治著、NHKスペシャル取材班著)

 本書はNHKスペシャルに基づいた本で、「羽生善治 人工知能を探る」(2016年5月15日初回放送)が元と思います。NHKって不思議で、似て非なるサイトが複数あったりしますが、こちらは、取材の舞台裏動画などもあるバージョンです。リンク切れになっているかもしれませんが。
 読みやすいらしくてベストセラーとなっています。ここで哲学的な発言をされている羽生氏は、AI時代の人間の生き方というものを示唆している点ではいまのところトップの存在かもしれません。つまり、AIの研究者という意味のトップではなく、AI時代に生きる「考える人」としてのトップランナーでしょう。1970年生まれで、1985年にプロ棋士(中学生棋士)となった彼は、まさか30年後にこんな時代が来るとは予想していなかったかもしれません。予想はしていたとしても、現実とはかなり違う意味合いだったのではないでしょうか。

 さらに私の蛇足としてこんな本もいかがでしょう。

『コンピュータが小説を書く日 ――AI作家に「賞」は取れるか』(佐藤理史著)


 将棋に勝つのとは、また次元の違う挑戦です。
 AIが人間の持っている文化に挑戦することはまったく構わないのです。たとえば、コミュニケーターとしてのAIを想定したとき、私と会話を楽しくするには、それなりに教養は欲しいです。だからといって教師のようなAIはイヤだし。まして人間に張り合うのも好きではありません。
 これは私の持論ですが、人生のないAIが書いた小説や芸術は、意味がないとまでは言いませんが、少なくとも私はその時点でニセ物だと思います。
 出来のいいストーリーを作ってくれたとして、またはユニークな表現を生み出したとしても、それを意味のある作品にするのはやはり人間の手を経る必要があるだろうと思うのです。将棋のAIの面白さは、実は開発者たちの人生が乗っかっているからであって、それはロボコンでも同じですよね。ロボットそのものよりも、作り出し操縦する人に焦点をあてない限り、大した意味がないのです。
 同じようにAIも小説を書くことは可能です。そしてAIが書く小説の意義は「人生のない者の描く小説」という部分だけだろうと思います。私たちにないもの、つまり人生なき著者による作品としては興味深いですけども、それはこれまで培ってきた多数の文学の中の、1つの分野に過ぎないでしょう。
 もっとも新たな分野が追加される点では大きな意味を持つ可能性はありますよね。なにしろ人間にはできないんだもの。

読むべきSF小説8冊

 WIREDには、「2016年、ヒトに勝つ人工知能を生み出したいなら読むべきSF小説8冊(選:松原仁)」という興味深い記事もあります。このスライドショーで紹介されている8冊は古典も含め、一読に値する小説ばかりですね。

2017/07/11追記『Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2017年 7/18号 [日本人が知らないAI最前線] 』


『Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2017年 7/18号 [日本人が知らないAI最前線]』を読みました。
 ややネガティブな話から入っていくのがニューズウィークらしいですね。ただし、ポジティブな話も平等に扱っています。日本からは、ゲートボックス社によるバーチャルホログラムロボット「逢妻ヒカリ」も紹介されています。もちろん、数年でトラック運転手が3分の1になるのではないか、といったシビアな話を含め、ちょっと深刻な情報に触れておくことも必要でしょう。

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ますもと・てつろう

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「かきっと!」の編集長です。記事もいろいろ書いています。

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