ヒプノティック・チェンバー(R&Sie(n)、十和田市現代美術館)
- 2021/4/6
- かきっと!美術館, 美術の部屋
- Hypnotic Chamber, R&Sie(n), アート, ヒプノティック・チェンバー, フランソワ・ロッシュ, 十和田市現代美術館, 建築, 美術, 芸術
- コメントを書く

町を歩いていて、ふと気付くと、そこに異様な魅力を放つ物体があったとします。
それは果たしてただの物体なのか。それとも建築物なのか。アートなのか。
いずれにせよ、私たちはワクワクしながらその物体に引き寄せられていきます。
R&Sie(n)による「ヒプノティック・チェンバー」。→十和田市現代美術館の解説
ヒプノティックは、フランス語で「催眠」。チェンバーは英語で「部屋」。催眠の部屋──。つまりこれは部屋なのです。
固い物質なのに、人体のような艶めかしさがあります。
もし中に入ったら、私たちはこの部屋の一部となってしまうかもしれません。
ところが、中へ入ると、そこでわたしたを迎えるのは、ディスプレイと構造物。
それでいて、不思議と気持ちの落ち着きも感じられます。
まったく外とは違う、内側。
わたしたちは守られている。そして隔てられている。
まさに、部屋なのです。
入り口を振り返ると、そこは確実に、外につながっています。
でも、そこは、さっき入ったときと同じ世界でしょうか?
さっき、中へ入るときに感じた違和感は、今度は、外に対して感じるのです。
果たして外に出ても大丈夫だろうか。そこは自分の知っている世界だろうか。
不思議な楽しみ、親しみ、気味の悪さ……。
いずれにせよ、まるで自分の体内(たとえば耳の穴)を覗き込んだときのような感覚です。
Hypnotic Chamber / 十和田市現代美術館, 青森, 2010 © R&Sie(n)
関連リンク
丸紅情報システムズ・フランス人建築家のフランソワ・ロッシュ氏のインタビュー
(訪問・撮影 2019年7月)
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。