今日の言葉

001~105は、こちらのアーカイブをご覧ください。

111 気力と欲望

私たちの体が、この世の物質から生まれたように
生きる気力そのもののは、
自然からの恵である。

気力が満ちている限り、
強い欲望もある。

自然は善でもあり悪でもある。

欲望は善にも悪にもなる。
(言志録 111人身之生気)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(欲望と気力。その使い方を学ぼう)
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110 欲望を知る

人はみな欲望がある。
それが「悪」を生む。

もともと本性は「善」だとしても、
なぜ「悪」を生みだす可能性を
人間は備えているのだろうか。

欲望は役に立つのだろうか?

欲望は人間の生き生きとした気力である。
欲望があるから生き、
消滅すれば死ぬだけだ。

体中から欲望がみなぎり、
それを抑えることができなくなったとき
「悪」に走ることがある。

生きている限り、欲望は失われない。
ただ、その欲望を「善」として活かすこと。
そこで人間の質は決まる。
(言志録 110人不能無欲)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(欲望によって悪に走ることも自覚しておくことは、自分を高めることにもなる)
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109 善を発揮する

私たちの心が、もともと善であったとしても、
体がなければ、
その善を発揮することはむずかしくなる。

体は、
善を発揮するために必要だ。

しかし、体が前面に出てしまうと、
いいこともするけれども、
時には行き過ぎたり、
やり遂げられなかったりして、
結果的に悪へ流れてしまうことがある。

心のままに善のみ発揮できる人は、
聖人のような限られた人だけだろう。

そう考えれば、
体も、もともと善だったのかもしれない。
(言志録 109性善雖)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(考えていることと行動を一致させ、いいことをしていくのは簡単ではない)
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108 善悪

私たちの体は物質で作られている。

物質はどんなに複雑でも、形がある。
形があるだけに、不純物を排除するのが難しく、変化も困難だ。

心はどこから来たのだろう。
それは宇宙の起源、カオスに遡るのではないだろうか。

カオスに定まった形はない。
たとえ純粋であっても、善であっても、
固まっていない。
だから善悪の両面を備えている。

カオスからこの世が産まれ、
自然現象が発生し、
風雨や海、山を作り、生き物を、人間の肉体を生み出した。

風雨が猛威をふるい、破壊することもある。
風雨がなければ生きて行けない生き物もある。
善にもなれば悪にもなる。

このような悪は、本来の悪というよりも
活力があふれ過ぎた結果かもしれない。

私たちの心がたとえ純粋に善であっても、
体には善悪の両面が備わっていて、それを簡単に変えることができない。
これは、そもそもの起源からそうなっているのかもしれない。
(言志録 108性禀諸天)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(善悪を根本に遡ることは難しく、たとえ根源まで辿り着けても悪だけを排除することは難しい)
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107 悪に走る

人は生まれながらに悪人ではないはず。
それなのにどうして、
悪に走ってしまうのだろう。

耳があるから、甘い言葉に誘われる。
目があるから、よからぬものも見たくなる。
鼻があるから、よい香りに惑わされる。
口があるから、うまいものを求める。
手足があるから、少しでも楽がしたくなる。
肉体があるから、悪いことをしたくなるのだろうか?

もし肉体の状態が違っていても、
人間は悪に走るだろうか。

それでも悪に走るなら、
人間の本性を取り除けば、
悪を取り除けるのだろうか。

もう一度、
そこを考えてみてはどうだろう。
(言志録 107欲知性之善)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(人から悪だけを取り除くことなどできるのだろうか?)
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106 心の隙間

入学式、入社式、始業式、毎朝の朝礼などなど、
いろいろな行事がある。
行事があると、いつも以上に忙しくなる。
その大半は、やらなくてもいいような
無駄なことに思えるときもある。

でも、この無駄に思える行事も、
役に立っているのだ。
その行事をすべて取りやめたとき、
私達はそれより有益なことをやれるだろうか。

人間、暇になると、大したことはできないものである。
暇なあまり、悪事に走ることもある。
心の隙間を作らないためには、
忙しさを生み出す行事も大切なのだ。
(言志録 106凡年間)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(私たち社会は工夫をしてきた。大事なことは、行事を形骸化させないことかもしれない)
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 佐藤一斎および「言志四録」については、こちらをご参照ください

 ふわっと口語で愉しむ『言志四録』は、こちらにアーカイブされていきます。

【ご注意】勝手に現代口語に訳すというか、かなり著者なりの言葉になっていますので、ご興味を持たれたら原典にも触れてみてください。

参考:講談社学術文庫 川上正光訳、岩波書店 日本思想体系46「佐藤一斎 大塩中斎」(1980年5月23日第1刷)

M&Aオンラインの著者連載コラム
「M&Aに効く『言志四録』」

「M&Aに効く論語」

 

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ますもと・てつろう

投稿者プロフィール

「かきっと!」の編集長です。記事もいろいろ書いています。
業界紙・誌(物流、金融経済、人事マネジメント)、ビジネス誌、ビジネス書など幅広く編集・執筆をしてきました。
ペットケアアドバイザー(愛玩動物管理飼養士二級、2005年度)
行政書士試験 合格(2009年度)

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