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今日の言葉

001~135は、こちらのアーカイブをご覧ください。

139 凝縮された気持ち

幽霊が存在するとすれば、
生きている間に強い気持ちが凝縮され、
死後も残るのかもしれない。

強く思い、憤ることで
気持ちは氷のように固まるのかもしれない。

肉体が失われても
その気持ちだけが消えずに残るのだ。

水は器を壊しても、氷となる。
しかし、氷はやがて溶けていく。

一度は固まった気持ちも、
やがて溶けて消えていくのだろう。
(言志録 139亡霊)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(死後にも残る志はある。誰かが引き継ぐか。あるいは跡形もなく消えて行くのか)
◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆

138 心を取り戻す

死が怖いのは、
この世に生まれたあとに
取得した感情のせいだ。

体を得て、
はじめて体を失う恐怖を覚える。

生まれる前の心だけのとき、
死を知らない。
体から離れて、
心だけを考えることはできるだろうか。

この世に生きている間、
死を恐れている間にこそ、
本来の心を取り戻すような
境地を得たいものだ。

それは、生まれる前の心に
近づくことだから。
(言志録 138畏死者)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(心と体を分けて考えることは可能だろうか。体の消滅とともに心も消滅するのだろうか)
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137 生と死

生きている物はみな、死を恐れる。
しかし人間は、
死を恐れない理由を
考えることができる。

生命は宇宙から生じたものだ。
ならば死も生も、宇宙の意志である。
その意思に従えばよい。
生まれた瞬間は、喜びを知らないように、
死ぬ瞬間に悲しむことはない。

心も宇宙から得たものだろう。
体は心の器である。
形がある限り心はそこに留まり、
体が失われていく時、
心は宇宙に戻る。

心は死生の外にある。

朝があって夜がある。
生があって死がある。
春があれば夏、秋、そして冬が来る。
冬のあとにはまた春が来る。

生と死もこれと同じようなものだ。
(言志録 137生物)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(達観できる人もいれば、できない人もいるけれど、どちらにせよ結末はやってくる)
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136 安らかな死

高齢になり病もなく
自然に元気を失って死ぬとすれば、
紛れもない安らかな死といっていいだろう。

では、そのほかの死はどうだろう。

ガッツのある人や、
正しい道だけを目指す人が、
突破すべき問題に直面したとき。
死をも恐れぬ行動に出たならば、
それは立派な死とされるだろう。

血気にはやり
死に急ぐような人は、よくない。
いざというときに
命を惜しむ人よりも悪い。

宗教に生きる人の中には、
平然と死を受け入れる人もいる。
宗教そのものが
死への恐怖を克服するためにあるとすれば、
その人の本質として死を受け入れたのか、
宗教のために受け入れたのか、
区別がつかないだろう。
(言志録 136気節之士)

◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇

(誰もが望むやすらかな死。だが、具体的に描いている人は少ないだろう)
◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆

 佐藤一斎および「言志四録」については、こちらをご参照ください

 ふわっと口語で愉しむ『言志四録』は、こちらにアーカイブされていきます。

【ご注意】勝手に現代口語に訳すというか、かなり著者なりの言葉になっていますので、ご興味を持たれたら原典にも触れてみてください。

参考:講談社学術文庫 川上正光訳、岩波書店 日本思想体系46「佐藤一斎 大塩中斎」(1980年5月23日第1刷)

M&Aオンラインの著者連載コラム
「M&Aに効く『言志四録』」

「M&Aに効く論語」

 

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ますもと・てつろう

投稿者プロフィール

「かきっと!」の編集長です。記事もいろいろ書いています。
業界紙・誌(物流、金融経済、人事マネジメント)、ビジネス誌、ビジネス書など幅広く編集・執筆をしてきました。
ペットケアアドバイザー(愛玩動物管理飼養士二級、2005年度)
行政書士試験 合格(2009年度)

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