ふわっと口語で愉しむ『言志四録』 今日の言葉

今日の言葉
001~150は、こちらのアーカイブをご覧ください。
155 リスペクト
さまざまな邪、よこしまな気持ちは、
ふと誰もの心に忍び寄る。
くだらない考えが、
邪を連れてくる。
昔の人は、
「敬は百邪に勝つ」と言ったそうだ。
敬、つまりうやまい、つつしむことは、
くだらない考えを断ち切る力となる。
(言志録 155敬能)
◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇
(敬は、いわばリスペクト。相手をリスペクトする気持ちがなければ、邪に走りやすい)
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154 くだらないこと
くだらないことを考えたり、
やってしまうことを避けたいなら、
心をひとつにして自分を大切にし、
ほかの人たちも大切にする。
そんな気持を持てばいい。
そもそも、くらだらいことを
思いもつかない状態こそ、
心をしっかりを持っている状態だろう。
(言志録 154不起妄念)
◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇
(ふと心に緩みが出たとき、心がさまよっているときは要注意)
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153 夢で試す
自分に備わっている誠実さを
確認しておきたいなら、
夢の中で試せばいい。
(言志録 153意之誠否)
◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇
(不可解な夢の中に、思いがけず自分の本当の気持ちが現われていることもある)
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152 誠実さ
誠実さは、
自分の中で十分に蓄積していけば、
いずれ大きな影響力となる。
誠実な対応は、
自分ひとりから始まる。
ひとりでいるときに誠実であれば、
だれの前に出ても、
誠実さは伝わるだろう。
場面に合わせて誠実なフリをしても、
ひとりでいるときに誠実でなければ、
その誠実さは伝わらない。
誠実さの蓄積は、
相手に伝わるものなのだ。
(言志録 152蓄厚)
◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇
(誠実であることは、まず自分自身に対して誠実であることだ)
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151 正しさ
正しいことをしよう、
とお互いに注意し合うことは、
友情を深めるいい方法だ。
それも、できるだけ丁寧にしたい。
口先だけ、相手に要求するだけでは、
役に立たないばかりか誤解されて
友情を失ってしまうだろう。
(言志録 151責善)
◆◇ ◆◇ 訳者の蛇足 ◆◇ ◆◇
(正しさを相手に求めるからには、まず自分からそれを深く考えて行動していきたい)
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佐藤一斎および「言志四録」については、こちらをご参照ください。
ふわっと口語で愉しむ『言志四録』は、こちらにアーカイブされていきます。
【ご注意】勝手に現代口語に訳すというか、かなり著者なりの言葉になっていますので、ご興味を持たれたら原典にも触れてみてください。
参考:講談社学術文庫 川上正光訳、岩波書店 日本思想体系46「佐藤一斎 大塩中斎」(1980年5月23日第1刷)
M&Aオンラインの著者連載コラム
「M&Aに効く『言志四録』」
「M&Aに効く論語」
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