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いまあえて会社の予算を考えよう その4(最終回) 経験値を高めよう
- 2018/3/1
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- PDCA, したたかさ, ビジネス, フレアビジネス研究会, 予算, 予算管理, 管理, 経験値, 課長・部長のための予算作成と目標達成の基本
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フレアビジネス研究会は、書籍、雑誌、Webで活躍する編集者・ライターによるビジネス系コンテンツの研究会です。経営から国際、経済など幅広い分野をカバーする専門家の集団となっています。2017年7月段階で7人が在籍。『課長・部長のための知っておきたいビジネス常識と教養』を2017年1月に、そして7月には『課長・部長のための予算作成と目標達成の基本』を上梓しています。
そこで、4回にわけて、会社の経営、事業の運営、営業といった面から「予算」について考えていきました。題して「いまあえて会社の予算を考えよう」。その最終回は、「経験値を高めよう」です。
なぜ同じ失敗を繰り返すのか?
前回、PDCAサイクルとリーダーシップについて触れましたが、それにしても予算管理となると、「またか」という場合が見られます。各人のスキルが高く、リーダーも優秀なのに「今期もまた、やっちゃいました」みたいな話です。
もちろん、プロ野球で喩えれば、打率3割打てば一流となるのであれば、予算未達、予算達成についてもある程度の歩留まりで判断していいのだとは思います。しかし、それにしても部門によっては、改善がなかなか見られないところも出てくるのです。
失敗の原因は複雑で、1つずつ潰していく時間はビジネスの競争ではまず作れません。それに1つ潰しても新たな要因が発生するのですから、完璧に原因を究明して善処するといったことは謝罪の文面ではあり得ても、現実にはかなり難しいことです。
ただ言えることは、豊富な経験を積んでいる人の多い部門では、そこまでブレが生じることは少ないはずです。ハタから見ると「なんか、うまいこと誤魔化してるな」とか「老獪だ」と思われるかもしれませんが、それも含めての経験値の高さであり、「したたかさ」なのです。
同じ失敗を繰り返す場合は、経験値が不足していて、したたかさに欠けていると考えてもいいでしょう。
短期のPDCAで成功体験を持つ
経験値は単純に勤続年数で醸成されるものではありません。短期でも修羅場を経験してきた者は、すぐれた「したたかさ」を身につけているでしょう。そうした人が多く存在しているだけで、その部門の予算管理はブレが少ないはずです。
一般的に、予算をPDCAサイクルで考えるとき、長期では企業会計年度つまり「1期」で考え、中期では「半期」、短期では「四半期」、そして速報的に「月次」と考えていると思います。月次は見込み違いなども起きてあてならず、あくまで参考程度とし、四半期でPDCAサイクルを回すとしたら、年に4回転となります。
たった4回転では、経験値はなかなか上昇しないと思いませんか? ゲームに夢中になっている人のトライ&エラーは、もっと頻繁なはずです。経験値を上げるために、寝食を忘れて没頭するでしょう。何回も何回も。
予算管理の経験値をいち早く上昇させるためには、PDCAサイクルをもっとたくさん回す必要があるのではないでしょうか。
『課長・部長のための予算作成と目標達成の基本』では、「日次決算」をやり続けてる会社を紹介しています。確かにいくらなんでも、毎日PDCAサイクルを正確に完璧にやり遂げることは困難でしょう。おそらく、漏れもあるでしょうし誤差もあるはずです。
ですが、もし「日次決算」をやり続けたとすれば、それに携わった全員の経験値はみるみる上昇していくのではないでしょうか。
ビジネスにおいて、正確さも度を越せば時間の無駄になりかねません。短い時間でどこまでやれるのかを追求していくことによって、経験値をいち早く向上させ、「したたかさ」を養うことになると考えられます。昨日の失敗は明日取り戻す。それができるかどうかは、日々の積み重ねがあればこそでしょう。また、予算に対するコミットについても、完全に日々の業務と一体化されていくはずです。つまり誰もが予算マインドを持つようになります。
予算は会計のためのものだけではなく、仕事に携わる誰もが意識すべき重要事項であることが浸透することで、予算管理に強い会社となっていくのではないでしょうか。(終わり)
『課長・部長のための予算作成と目標達成の基本』
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