あっという間に終わってしまうプレイオフですが、ワイルドカードからスーパーボウルまでをこの記事でフォローしていきます。最新記事が上に来ます。
 なお、アメリカンフットボール、NFLについての用語などの解説は過去記事のこちらをどうぞ。

チャンピオンシップ

 日本時間1月21日に開催予定のチャンピオンシップ。AFC、NFCのそれぞれチャンピオンを決める試合がおこなわれました。この勝者が2月4日のスーパーボウルで対戦します。

 ラムズ@セインツ(NFC)

【事前】ラムズのペースになったときセインツはどうするのか。セインツのペースとなったときラムズはどうするのか。そんなことを考えるとおもしろいですね。どちらのチームも時間を味方につける戦略でチャンピオンシップにやってきました。前の試合ではうまいこと相手の攻撃時間を奪い取っていましたし、自分たちは時間を使って攻撃をし続けるスタイル。相手にボールが渡らなければ必ず勝てると信じているわけです。さて、このカードもシーズン中にありました。Week9。@セインツというのも同じ。結果は35-45でセインツでした。セインツのRBカマーラに比べると、ラムズのRBガーリーは少し走り足りない印象。この試合でもセインツは4dギャンブルを2回やって2回成功させています。だから必ずチャンピオンシップでもやるでしょう。ラムズはそれを止められるか。カギは2Qにあります。Week9では2Qで波にのったセインツが攻撃しまくる。後半のラムズの攻撃に逃げ切りました。ディビジョナル・プレイオフではイーグルスに対して2Qから攻撃を続け最後まで相手に点を入れさせませんでした。ラムズが勝利するには、2Qを制しなければなりませんね。さらに、ラムズQBゴフはチャンピオンシップに残った4チーム中、もっとも美しいプレイアクションパスを見せてくれるQBと言えるのですが、そのゴフから思わぬINTを奪ったセインツの#47MLBのアンザロンなどLB陣は要注意です。右から中央へ急角度に切れ込んでマークを外すレシーバーにパスをしたはずですが、手前でパスラッシュしているであろうLBが突然飛び出してのINTでした。QBからは見えないですからね。プレイアクションパスは読まれると危険。シーズン中ゴフはファンブルロストも5回とやや不安。セインツQBブリーズはファンブル5回ありますがロストは1回だけです。QBゴフの技量も試されます。

Week9のラムズ@セインツ戦
 
【結果】ラムズ 26-23 セインツ
 まさかの延長戦。そしてまさかのラムズ。
 1Qはセインツの時間。FG、INTからのFG、TDと一方的にセインツが点を入れていきます。結末を知っているなら、最初の2つのFGのうちどっちかTDしていればなあ、というのは言えますが、この時点ではすごくいい状態に見えました。ラムズは流れを変えるためにパントフェイク。それもしっかりとパントフォーメーションを取ってからのパスで、なかなかNFLでは決まるものではないのですが見事に裏をかいて成功。ただし、それでもTDは奪えずFGだったのです。
 2Q。私の事前予想ではここを制したチームが勝利するはず。するとラムズはセインツを抑え込み、前半終了間際にTDを奪いました。しかも81ヤードもドライブしてのTD。中でもコックスへの36ヤードのパスは見事でした。これで乗れるかラムズ。10-13。地元セインツのクラウドノイズの中で、いつものようなオフェンスのできないラムズでしたが、守備はクラウドノイズは関係ないのでなかなかいい出来でした。
 3Q。ここはまったくの互角。セインツがTDすればラムズもTDする。どちらも70ヤードほどのドライブで5分ほど使って、3点差のまま。ただ、この3Q、セインツはラン中心のオフェンスに切り替えて勝負に出たように見えました。時間を使い(リードしている側ですから)、ボールを支配しながら加点していけば追いつけないはずだからです。QBヒルを入れてのセインツの今季の特徴的な攻撃もうまく行きました。やれることはやった感があります。それでもラムズは点差を広げられることなく追いついてきました。美しいプレイアクションパスなども決まってゴール前に。パスでTD。負けていません。17-20
 4Q。思わぬ展開。ディフェンスマッチです。手詰まりというわけでもないのでしょうが、攻撃は膠着。パスインターフェアじゃないかみたいなプレイもありつつラムズは必死に守る。突き放せないセインツ。ラムズも決められそうな場面はあったのです。90ヤードもゲインして5分以上かけたのにTDがとれずFG。ところがセインツもFGしか入れられず。残り時間を有効に使ったラムズは同点のFGを決めて23-23。延長戦。
 延長。コイントスでレシーブを選んだセインツに圧倒的な優位が与えられ、多くの人はセインツがTDして勝利するのだろうと考えたとき、まさかラムズにQBブリーズのパスがインターセプトされるとは。それも自陣34ヤードです。シーズンを通してINTやターンオーバーの少ないQBブリーズが、最後の最後のこの場面でまさかのINT……。絶句です。そしてFGを決めたラムズがカンファレンス・チャンピオンとなり、スーパーボウルへ行きます。あなどれないラムズ。第34回スーパーボウル(2000年)でラムズはQBカート・ワーナーでタイタンズとギリギリのゲームを制しています。36回(2002年)にも出ましたが、先発QB負傷で登場したQBブレイディーのペイトリオッツに3点差で負けています。ペイトリオッツの時代がここから始まったわけです。もしかしてその時代に終止符を打つのもラムズなのでしょうか? 羊たちの健闘を祈ります。
 

日本時間2019年1月21日(月)ラムズ@セインツ

 
 

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 ペイトリオッツ@チーフス(AFC)

【事前】今シーズンそしてこれからのNFLを象徴するような試合です。圧倒的な強さで君臨するペイトリオッツ、QBブレイディ、ヘッドコーチのビル・ベリチェック。そこに立ち向かうのは今シーズのNFLをもっとも盛り上げてくれた若きQBマホームズとチーフス。相撲で言えば、千代の富士対貴乃花(当時は高花田)みたいな世代交代を象徴する試合となるのでしょうか。とても楽しみです。この対戦は、今シーズンWeek6の再試合となります。40-43でペイトリオッツが辛勝しました。このときは@ペイトリオッツでした。今回は@チーフスですから少しはチーフスにアドバンテージがあると見ていいでしょう。また、QBマホームズはWeek6で2INTされています。これは経験の差もあるでしょうから、この3か月の成長でどこまで改善されているかも注目です。チーフスはペイトリオッツの強力オフェンスライン、RBミシェルの鋭いラン、エデルマンのラン・アフター・キャッチ、グロンカオスキーの巨体を利用したゲインなどに対応しなくてはなりません。これは正直、大変です。一方、ペイトリオッツ守備は4Q残り3分あたりで、マホームズは75ヤードのTDパスを成功させて追撃したのが印象的なので、なんとか食い止める策を講じないと投げ負ける可能性も出てきますね。スペシャルチームや反則によって決まってしまうかもしれない、それほど際どい試合になりそうです。

Week6のチーフス@ペイトリオッツ戦

 

【結果】ペイトリオッツ 37-31 チーフス
 まさかのチャンピオンシップ2試合目も延長戦。そしてやっぱりのペイトリオッツ。
 1Qはペイトリオッツが8分もかけてTDを奪うみごとなドライブを見せつけて、やっぱり強いんだなと印象付けました。チーフスはパント。そしてまた堂々のペイトリオッツオフェンスが……。なんとINT。チーフスに流れが変わるのか?
 2Q。ところがチーフスはせっかくのチャンスをパントで終わる。これがよくないのです。ケルシーに投げて最初はダメでしたが、2投目は9ヤードゲイン。残り1ヤードをランで取ろうとして失敗してしまったのです。うーん。このあと膠着状態に。お互いにパントで終わる攻撃。守備陣はよく相手を研究しています。うかつに投げられない。慎重になります。でもチーフスはチャレンジャーなのだから、ここでなにかをしないわけにはいかないはず。マホームズの42ヤードパスが決まる(レシーバーはヒル)。これはすごい。もしかしたらと思わせる。このあとがいけない。マホームズはラッシュを逃れるために深く下がったところでサックされてしまう。FG圏内から圏外に追い出されてしまったわけです。またパント。すると今度はペイトリオッツが仕掛けてきました。リードしているペイトリオッツは前半の残り時間を使ってFG狙いか。投げどころがなくブレイディーはいわばセーフティーバルブのホワイトへのショートパス。ロスがなければいいという感じ。それがチーフスの意表をついた形になってあれよあれよと30ヤードのゲインに。こうなるとペイトリオッツは狙ってきますよね。29ヤードのTDパスを決めて、前半を14-0。つまりペイトリオッツ守備は完璧にチーフスを抑え込んだのでした。
 3Q。ここで巻き返さないと時間もなくなります。コイントスで勝ったチーフスは後半勝負としてレシーブを選択していました。だから後半最初のドライブはとても大事。短いゲインを重ねていくのかと思ったら、ワトキンスへのディープミドルへのパス。これが54ヤードのゲインとなっていっきにレッドゾーン。ケルシーに短いパスを投げてTD。14-7。たたみ掛けたいところ。このあとお互いにパントですが、マホームズはサックされてしまったんですよね。前半の経験が活かされていない。もっともチーフスの守備もブレイディのパスをはたくなど、とてもアグレッシブにやっていました。チーフスのパントが短くてペイトリオッツにいいポジションを与えてしまい、それがFGにつながってしまいます。17-7。逃げて行くペイトリオッツ。この段階で、今日のチーフスは20点ぐらいしか取れないのではないかと感じましたし、ペイトリオッツは30点取れる勢いを感じました。ですがチーフスはそこからTDを取っていくのです。このシリーズはシビれました。サックされることを見越して自らネイキッドになって、突っ込んで来るペイトリオッツ守備の頭越しにパス。勇気も技術も必要です。#26ウィリアムスへのサイドライン側のショートパスがロングゲインになりました。ペイトリオッツにパスインターフェアランスの反則もあってTDまで持って行くことができました。おみごと。17-14。
 4Q。いけそうな気がする。チーフス守備もがんばって、今日最初のドライブのようにガシガシとやってくるペイトリオッツでしたが、4dインチのギャンブルで飛び込んだところをチーフス守備にしっかり抑えられて失敗。チャンスと思いきやチーフス攻撃はぜんぜん進めずパント。ペイトリオッツはまた攻撃開始と思ったとたんにINT。ここはパントリターナーのエデルマンの手に当たったかどうかというビデオ判定があって、当たってないとなり、ペイトリオッツの攻撃だったのですが、今度はエデルマンに投げたボールが弾けてINTになったのでした。神様は意地悪だ。まだチーフスに流れが来ている。スクリーンパスで#26ウィリアムスが走り込んでTD。ついに逆転です。17-21。残り7分55秒。このスクリーンパスはそもそもプレイ全体が右に行くと見せかけての左だったので、ウィリアムスは誰にも触られずにTDできたのでした。すばらしい戦術。
 このあとはTDの応酬。息もつけない展開で唖然です。チーフスは再び追う立場になって残り時間を使いながらTDをすれば勝利でした。ですが、これがうまくいかない。残り31秒しかないのでしょうがないのですが、ミドルにいいパスが決まっていたのでTDを狙いに行ってもよかったんじゃないかと思いますが、安全にFGで同点にしました。31-31。
 終盤のペイトリオッツの落ち着きと、やはりグロンカオスキーとエデルマンのいるチームへの守備も難しさもあって、チーフス守備はなかなか止められませんでした。せめてFGにしておけば、できればパントで終わらせればと思うものの止まらない。この底力は脅威というか恐怖です。
 延長。コイントスでレシーブを取ったペイトリオッツ。先ほどの鬼のような攻撃はさらに続きます。3d10まで追い込んだチーフス守備でしたが、エデルマンにパスを通されてしまう。このあともパス不成功もあるものの、エデルマンで15ヤード。グロンカオスキーで15ヤードと、ガツガツといわばボディーにいいパンチが入っていく。#34バークヘッド(Rex Burkhead)のラン攻撃は仕上げのようなもの。10ヤード、3ヤードとゲインし、最後に2ヤードのランでTD。試合終了です。37-31。
 この最後のシリーズは、スーパーボウルへの布石にもなっています(たぶん)。34バークヘッドはレギュラーシーズンではあまり目立っていません。4人目のRBといった感じで、ネブラスカ大出身6年目。ベンガルズから2017年にペイトリオッツへ移籍していました。今シーズンは8試合に出て、Week17のジェッツ戦でパスキャッチからのTDを1つ。その前のWeek16のビルズ戦ではファンブルロストを喫していて、正直ペイトリオッツの中でも、それほど目立つ存在ではありませんでした。それがこの大事な延長戦の場面で3回連続でボールを持たされたのです。それだけ層が厚く総力戦ではまだまだ人材はいるぞ、とアピールしているかのようです。スーパーボウルでは誰がヒーローになるでしょうか。

日本時間2019年1月21日(月)ペイトリオッツ@チーフス
 
 

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スーパーボウル

(以下、スーパーボウルとカンファレンスチャンピオンシップの【結果】はいずれ別ページとなる予定です)

 ラムズとペイトリオッツのスーパーボウルとなりました。日本時間2月4日(月)。BSNHKは午前8時から生中継予定です。
 ラムズは、「ONE HOUSE.ONE DREAM.」を掲げてプレイオフに臨みました。直訳すれば「ひとつの家。ひとつの夢」ですね。One for all, All for on.みたいな意味でしょうか。そしてこのHOUSEは、新しいラムズの本拠地の意味でもあります。ご存じのように、1936年にクリーブランドで誕生したラムズですが、10年後にはロサンゼルス・メモリアル・コロシアムへ移転。懐かしい映画「天国から来たチャンピオン」(1979年)では、主人公はラムズのQB。当時はコロシアムでした。ロケもしています。その後、1980年にアナハイムへ。いま野球の大谷選手が所属するエンゼルスと同じ球場だったのです。1995年からはセントルイスへ移転。QBカート・ワーナーなどの活躍でスーパーボウルを制します。2016年には再びロサンゼルスに。いまはコロシアムを本拠地としていますが、2020年シーズン以降、ロサンゼルス・スタジアム・アット・ハリウッドパーク(建設中)に移る予定です。ひとつの家、という気持ちはなんとなく感じますよね。転勤ばっかりの家族みたいな。やっと落ち着けるかもしれない。そのためには勝利が必要です。またとないチャンスがいまやってきたのです。
 ペイトリオッツは、「EVERYTHING WE GOT」を掲げてプレイオフに臨みました。直訳すれば「私たちが得たすべてのもの」ですね。動画などによると、プレイオフのすべてを得るには、すべてを取りに行かなければならない、そしてそのために自分たちはすべてを投げ打つのだ、といった意味があるようです。つまり自分たちはすべてを出し切ることですべてを得るのだという意気込みですね。なんだか深いです。いまさらペイトリオッツを語ることもないでしょうが、スーパーボウルに10回も出ています。1986年(第20回)、1997年(第31回)、2002年(第36回)、2004年(第38回)、2005年(第39回)、2008年(第42回)、2012年(第46回)、2015年(第49回)。2017年(第51回)。2018年(第52回)。ここで表記した年はシーズンの年ではなくスーパーボウルがおこなわれた年です(私が2018-2019なんて表記をするのもこのため)。
 このうち5回勝利しています(2002年、2004年、2005年、2015年、2017年)。全勝しているようなイメージがありますけども。イーブンなのです。まだまだおれたちにはやり残したことがあるぜ、的な意味がEVERYTHING WE GOTにはこめられているのかもしれません。11回目で勝利すれば勝ち越しです。また、2002年からQBはトム・ブレイディーです。つまりブレイディーのスーパーボウルとしては、8回出て5勝ですから勝ち越していますけどね。
 ブレイディが初勝利したスーパーボウルはラムズが相手でした。HCビル・ベリチックは2000年就任ですから、2年目。QBドリュー・ブレッドソーでいまいち線が細い。今年もなあ、というときにWeek2でブレッドソーが負傷。ブレイディーが代役で出て勝ち始めると、ブレッドソーはケガが治ってもスターターに戻ることはありませんでした。そのままスーパーボウルへ駆け上がって、当時最強と見られていたラムズと対戦したのです。そして勝利し最年少MVPとなったのでした。といっても前半はペイトリオッツの守備が光っていました。後半も守備の戦いとなって17-17で残り2分を切ってペイトリオッツのオフェンス。これがすばらしく冷静なブレイディーが一躍スターとなったのです。FGをヴィナティエリが決めて勝利しました。チーム力で勝つ展開ですね。これはペイトリオッツの基本で、現在も続いているスタンスです。
 この強いペイトリオッツにラムズは勝てるでしょうか。対ラムズではじまったペイトリオッツの黄金期を、ラムズが止めるでしょうか? いろいろな話が飛び交っています。
 ・ラムズ守備#99アーロン・ドナルド。彼が強力で俊敏なペイトリオッツのオフェンスラインにどう切り込むか。ドナルドは今季41タックル、20.5サックをあげています。ブレイディは、チャージャーズやチーフスといった強力な守備チームからもほぼ守られていました。今回、プレイディもゴフも動き回るQBではありません。ゴフは多少は走りますけど。ブレイディに時間を与えればパスが通るわけで、それをさせない守備は可能でしょうか?
 ・ラムズQBゴフは、短いパスも長いパスもとてもクイックで鋭く投げます。これにペイトリオッツ守備はどう対応するでしょうか。とくにプレイアクションパスはみごとです。敵の裏をかくロングパスで何度もチャンスを広げてきたラムズですから。
 ・あまり表情をあらわさない老獪なHCベリチックと、アグレッシブで若々しく表情豊かなHCショーン・マクベイ(33歳です!)の対決。マクベイはレッドスキンズ時代にQBカズンズを育てたコーチとして注目されました。カズンズは鳴り物入りのQBであるRG3が負傷したあとチームを引っ張り続けました。そしてNFL史上最高年俸でバイキングスのQBとなっています。すでにたくさんのスターを育てたベリチック。いままさに自分の時代を築こうとするマクベイ。
 ・懸念材料 ラムズ Week14ベアーズ戦でプレッシャーを受け続け4INT、1セーフティを奪われました。ゴフはプレッシャーに弱いのです。ラムズ守備もがんばって3INT奪うなど活躍したのですが、勝てませんでした。翌Week15ではイーグルスと戦ってやはりINTをくらって負けています。またイーグルスにけっこう走られていましたね。13勝したラムズですが、セインツ、ベアーズ、イーグルスに負けていて、比較的スケジュールは楽だった印象なのです。
 ・懸念材料 ペイトリオッツ Week15でスティーラーズに負けています。際どい試合を取りこぼしたのです。意外にもランに対する守備に脆さが出ていました。オフェンスラインが強いとき、ペイトリオッツはうまく対応できないことがあるのです。これは修正されたでしょうか? またブレイディもさすがにサックされるとパスの勢いも止まります。プレイオフではチャージャーズ、チーフスともに、ブレイディをサックできませんでした。ラムズはどうでしょう? そしてペイトリオッツとしては前回スーパーボウルではイーグルスに完敗しました。それに奮起しての今季でしょうが、かえって意識しすぎて歯車が狂うこともあり得るのでは?

 
 

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……以下、過去の記事です……

ディビジョナル・プレイオフ

 日本時間1月13日~14日に開催されたディビジョナル・プレイオフはこの組み合わせとなりました。黄金カードばっかりです。ただし、片方は休みなしで戦っていて、片方は1週間お休みしていますので、どうしたってホームチームにアドバンテージが大きくあるのは事実。同時に思わぬ逆転劇も潜んでいるのがディビジョナル・プレイオフなのです。

 コルツ@チーフス(AFC)

【事前】興味深い対決となりました。チーフスのQBマホームズとコルツのQBラック。さらにQBサック数で上回るチーフス守備とコルツ攻撃。見所の多い試合になると思います。過去の対戦結果は今回にはほとんど関係ないでしょう。チーフスはマホームズになってからまったく違うチームになっていると思っていいからです。イメージですがコルツは着々とゲームを作っていくチーム。チーフスはいわばアドリブというか、思わぬところからゲームを動かすタイプ。1週間休んで戦略を立てているであろうチーフスが優位であることは確かですが、チーム力として高いレベルにあるコルツにも突き崩せるパワーはあるはず。とくにチーフスは守備に波があるのでそこを突くことができるか。

【結果】コルツ 13-31 チーフス
 雪が舞うスタジアム。予想以上の大差となりました。コルツがなにもできいないうちに、チーフスは2TD。コルツのオフェンスラインが、チーフスのディフェンスにコントロールされてしまい1dも取れないまま時間が過ぎていきました。それだけコルツは守備の時間が長くなり、疲弊していきます。チーフスQBマホームズの能力のすごさは、たとえば2Qに右にロールアウト。ネイキッドになってしまい、レシーバーも見つからず、投げ捨てるタイミング。そこで投げてケルシーがキャッチしたわけですが、ケルシー以外には取れないところに投げていました。コルツはパントブロックからTDをあげたものの、すぐにチーフスは最高のドライブでTDを取り返す展開。前半で勝負あったか、という感じ。コルツのキッカーはビナティエリ。まだ現役なんですよ、ペイトリオッツ時代が懐かしい。コルツは完敗。チーフスは1週休んで勝負勘が鈍るどころかますます冴えてきた印象。

 カウボーイズ@ラムズ(NFC)

【事前】ある意味、似た者同士のような戦い。QBプレスコットとQBゴフ。私が見ている範囲ではゴフのパスの方が素晴らしいとは思うものの。どちらのチームも強力なRBとWRがいますのでオフェンスではどちらも素晴らしい。土壇場に強いイメージのあるカウボーイズですから、接戦になれば勝機はあるはず。とくにカウボーイズにとっては不安定なオフェンスよりも、強いディフェンスでラムズに対抗していきたいところです。ラムズの強力オフェンスに死角はあるのか。QBゴフも多少の機動力はあるのですが、プレスコットほどではないので、なんとかプレッシャーをかけ続けたいでしょうね。ラムズのオフェンスラインの腕の見せ所でもあります。

【結果】カウボーイズ 22-30 ラムズ
 ジャブの応酬。ただラムズの攻撃はゆったりと構えていて時間を消費していきます。カウボーイズが優勢かと思われたのも束の間、ラムズはRBアンダーソンのロングゲインでいっきに前進。それでもTDはなかなか簡単ではないままに時間が経過。ラムズは徐々にエンジンがかかってくるのか。プレイアクションを2つミドルに決めてスクリーンパス。パワーをかけてきた。フォーメーションはあまり凝らないけど見せ方を変えていく手法でカウボーイズ守備を迷わせる。9分もドライブしてTDする。明らかにラムズのオフェンスラインは元気。焦るカウボーイズに反則が出れば、エースRBガーリーが切り裂く。いっきにラムズは自分たちのペースへ。4Q、カウボーイズも必死の反撃。4dギャンブルからエースRBエリオットが止められるシーンでラムズはかなり優位となった。最後にはラムズはQBゴフが自ら走る、いわばスペシャルプレイを見せて勝利を決定的にした。これはこの試合のためというより、チャンピオンシップでイーグルスかセインツと戦うことを意識して入れたプレーコールではないかとさえ思うほど。点差以上にラムズ強し。

 チャージャーズ@ペイトリオッツ(AFC)

【事前】ベタランQB対決。ただしスーパーボウルで無敵のイメージを持つペイトリオッツに対して、チャージャーズはなかなか届かない残念なイメージ。それを覆せるか。そしてチャージャーズQBリバースにとっては、最高のQBブレイディと対決して勝利することはとても重要なことです。今季のペイトリオッツが以前ほどの恐ろしいばかりの強さを感じさせないのは、主に守備の弱体化によると思いますので、チャージャーズにとっては一泡ふかせるチャンスはあるはず。ペイトリオッツ守備のいまいちさはWeek14でドルフィンズに33-34で負けた試合に代表されます。レイヴンズに勝利したやり方がペイトリオッツに通用するか、興味深いですね。

【結果】チャージャーズ 28-41 ペイトリオッツ
 ペイトリオッツの守備が奮起したのかと言えば、そういうわけではなく、オフェンス力でカバーした印象。つまり力でねじ伏せた感じでしょうか。最初のドライブでまっすぐTDに結びつけたペイトリオッツ。研究していたペイトリオッツの守備の穴をついてお返ししたチャージャーズ。ここまではワクワクドキドキでした。ところがこのあと。攻撃をすればすべてTDになるペイトリオッツ。一方、パントが増えるチャージャーズ。気がつけば取り返しがつかないほどの点差。その主因はむしろチャージャーズの守備でした。休養十分でパワー全開のペイトリオッツのオフェンスラインにやられっぱなし。中央付近のランがよく出ていたのが印象的です。RBミシェルは24回キャリーで129ヤード、3TDと大活躍でした。このランのおかげで、QBブレイディはムリなパスは投げなくてすみました。ムリをしなければならないのはQBリバース。前半だけで7-35はもう絶望的ですよね。後半も特筆すべきことは起きず、エデルマンとグロンカオスキーの大活躍だとか。「ああ、いつものペイトリオッツ」。地元ペイトリオッツファンでも試合終了前に帰宅したというほどの大差でした。こんなに差があるの?とビックリですね。

 イーグルス@セインツ(NFC)

【事前】これまたシブい。カンファレンスのチャンピオンシップゲームのような組み合わせですね。イーグルスは今季、薄氷の上を渡るようにして勝ち進んできました。王者の意地としか言いようがありません。スーパーボウルを制した翌年はチーム力を維持することが難しく(スタープレーヤーが外に出てしまうことが多いので)、またムリがたたってケガ人が増えたりもして、プラン通りに試合を組み立てられないことが多いのです。その厳しさに揉まれながらもやってきたイーグルス。一方、セインツは今季、またしても黄金の輝きを取り戻した印象があります。QBブリースにとってもそろそろ有終の美を飾りたい。もう一度スーパーボウルを、と思っていることでしょう。正直、セインツの強さは全盛期のペイトリオッツに似ていて、無慈悲に強い。Week16のスティーラーズ戦などその典型です。あの調子だとイーグルスは本当に厳しいでしょう。

【結果】イーグルス 14-20 セインツ
 セインツのオフェンスからはじまった試合。いきなりイーグルス守備がINT。そこからのTDで先制。波乱の幕開けでした。さらにセインツの攻撃を抑え、イーグルスは次のシリーズもTD。調子いいぞ、なんて思ったのはここまで。結果をご覧の通り、以後、イーグルスは1点も取れないままで終わってしまうのです。これは予想外でした。点の取り合いではなく、冒頭にイーグルスが点を取り、2Q以降はセインツだけが点を取る展開。だからといってセインツが楽勝したわけではありません。3dコンバージョン15回のうち8回成功させ、4dギャンブルも2回やって2回とも成功させての勝利です。セインツの攻撃時間は37分50秒。イーグルスは22分10秒。15分近い差。セインツのゲームプランはシーソーゲームにされないために、イーグルスの攻撃時間を奪うことでした。イーグルスは追いつ追われつに強く気がつけば勝利している、みたいな試合(ミラクルと言えなくもありません)の印象が強いので、セインツはできるだけ落ち着いてコンサバな試合にしたかったのでしょう。セインツの1d獲得は合計25。うちランによる獲得が9回もあります。RBカマーラとRBイングラムを効果的に使ったのです。とくにカマーラは試合を通して平均的にゲインしていました。イングラムは後半に大きくゲインしました。1d獲得のためにパントフェイクもやりましたし、もう1人のQBヒルを入れてのオプションも見せました。シーズン中もヒルが出てくるとダイレクトスナップというかヒルがそのまま走ることが多かったのですが、この試合ではTDパスも試みました。残念ながらホールディングの反則で記録はありません。守備の時間が長くなりイーグルスはさすがにお疲れな感じに。パスをカバーすればカマーラに真ん中をランで切り裂かれるので、お手上げでした。

 

ワイルドカード

 日本時間1月6日~7日に開催されたワイルドカードを振り返ります。

 コルツ@テキサンズ

 コルツのパスオフェンスがうまくヒットしてコルツが完全に試合を支配しました。こうなると地元とはいえテキサンズには勝ち目がありませんでしたね。テキサンズはわかっているはずなのにパスディフェンスをしっかりやり切れませんでした。QBラックにプレッシャーをかけられないため、いいパスが通ってしまうのです。前半で21-0。後半もテキサンズは守備の時間が長く疲弊していきます。一方、コルツは自分たちのやりたいことをきちんとやっている印象。チームそのものがフレッシュな感じもありますね。21-7でコルツ勝利。

 シーホークス@カウボーイズ

 カウボーイズWRハーンズが足を骨折する痛いシーンもありつつ、ウィルソンがなかなか本領を発揮できないでいる間にカウボーイズが着々と点を入れていく前半。後半になるとシーホークスも点を入れて追いつこうとします。QBウィルソンが自ら走ってTD。カウボーイズのQBプレスコットも走ります。シーホークスにとってもっとも痛いのは、序盤にキッカーがケガでサイドラインに下がってしまったこと。つまりFGを蹴る人がいない。オンサイドキックを蹴る人がいない。接戦ではキッキングはとても重要なのでこのハンデは大きすぎました。24-22でカウボーイズが勝利できたのは、キッカーの差だったとも言えますね。

 チャージャーズ@レイヴンズ

 ベテランQBリバースの勝利でした。地元なのにレイヴンズのQBジャクソンはパスがなかなか思うように決められないのです。これはマズイですね。後半になると地元なのにブーイングが出たほどの散々な出来でした。最後まで出て、なんとかTDを取るものの時すでに遅し。勝機は前半にあったんですけどね。どちらも守備がよく、チャージャーズはいいポジションから何度もオフェンスができたのにTDできずにいました。この時間帯こそレイヴンズが試合を支配できるチャンスだったのですが……。最終的な点差以上にチャージャーズの試合でした。23-17でチャージャーズ勝利。

 イーグルス@ベアーズ

 こちらも接戦となりました。NFLのポストシーズンゲームで1日に2試合とも前半にTDがない、というのは初だそうです。こちらも守備合戦になりました。ベアーズの守備はなかなか強力です。ところがこの試合ではイーグルスも素晴らしい守備を見せました。とくにパス守備はみごと。その結果、最後までもつれる試合となったのです。イーグルスは残り時間のないところでTDをしましたが2ポイントに失敗。1点差で56秒も残しました。ベアーズはキックオフリターンでいいポジションを取り、FGで勝利を得られる位置へ。43ヤードのFGを成功させればベアーズ勝利でした。43ヤードはキッカーとしては成功させたい距離。ところが失敗してしまうのです。なんとシーズンにも4回もポールにあてて失敗させていたというキッカー(名は出しませんが)。大事なところでやってしまったのでした。またこの試合は、審判にとっても厳しい判断を迫られる場面が多く、今後も議論を呼びそうです。16-15でイーグルス勝利。

 
 

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「かきっと!」の編集長です。記事もいろいろ書いています。

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