リボ払いについての相談が増えている

 クレジットカードは便利ですから、1枚ぐらいは持っている人が多いのではないでしょうか。電子マネーやApple Payなどの便利な支払い方法が増えているとはいえ、クレカは、自分で信用を育てていくことができる点を忘れてはいけません。長く使えば、当初は10万円枠だったキャッシュングも、30万円以上に増えていき、ショッピングの限度額も大きくなっていく仕組みです。

 とはいえ、最近、「過払い金」でクレジットカードのリボ払いについての相談が増えていると聞きます。

 リボ払いは、毎月の返済額を一定額にできる一方、いつまでも元本が減らない可能性もある点で、使い方に注意が必要だと言われています。少し返済して、リボ払いの枠があれば、またそこで買い物をしてしまう、といった方は要注意ですね。

過払い金請求の落とし穴

「でも、過払い金請求すればいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、そこにはいくつかの落とし穴があります。

 1、ショッピングリボ払いは過払い金の対象外
 2、キャッシングリボ払いも、返済完了していなければ、相殺または返済または任意整理などとなる
 3、そのクレジットカードは使えなくなる

 つまり、リボ払いでも、キャッシングリボ払いのみが、過払い金の対象になるのです。もしまだ返済が終わっていないのなら、過払い金が戻ってくるどころか、その残りと相殺になります。
 過払い金請求時に、クレジットカード解約となり、ただちに残金を返済することになるからです。

 ただし、そのクレジットカードが使えなくなるだけで、ほかにお持ちのクレジットカードの条件が不利になることはありません。いわゆるブラックリストに載ることもありません。せっかく育てたクレジットカードの信用をゼロにしてしまうことになるのですから、安易に過払い金いを請求すればいい、と思わない方がいいでしょう。

なぜショッピングリボは対象外なの?

 ちなみに1の「ショッピングリボ払いは過払い金の対象外」ですが、理屈はとても簡単です。

 1、ショッピングリボ払いは、お金を貸したわけではない。代金を立て替えているだけ。
 2、ショッピングリボ払いに利息はなく、手数料のみ。
 3、立て替え払いの手数料は、過払い金請求の根拠となる利息制限法の対象ではない。

 私たちは、カード会社から「今度の支払いきつそうですね、リボ払いにしてみませんか」といった案内を受けることが多いはずです。そして、とても便利に、リボ払いに変更できます。それは、このような意味で、クレジットカード会社にとってはおいしい利益になるからです。

 この点で、安易にショッピングリボ払いを使うことはやめておいたほうがいいのです。

 とはいえ、この機能を含めて、クレジットカードは「持っててよかった」と思えることも多いもの。上手に利用したいものです。

『クレジットカード 驚愕のメカニズム (Town Mook)』(岩田昭男著)

 

『しくみと手続きのポイントがわかる 自己破産と借金整理を考えたら読む本』(弁護士法人ベリーベスト法律事務所著)

『過払金返還請求・全論点網羅〈2017〉』(瀧 康暢著、名古屋消費者信用問題研究会監修)

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