Office Work Written Pen Project  - jlxp / Pixabay

 原稿の体裁について、こちらに書きましたが、その続きです。
 自分の書いた文章を読み直していくとき、内容に加えて体裁にも注意を向けたい。そのとき、客観的に見るために、たとえば読点、句点に注意するといった方法もあります、という話でした。

 今回は、さらに「など」と「副詞」に注意を向ける方法を考えてみましょう。

「など」を安易に使わない

「など」を安易に使わないことで、文章は格段にわかりやすく、伝わりやすくなります。

 法律や行政に関する文書には「等」がよく使われ、とても便利なのですが、「わかりやすさ」に難があります。「等ってなに?」となってしまうことがあるからです。

 会話などでいえば、「○○とか」の「とか」「なんか」も同様です。

「など」でも強調で使う「など」はともかく、その他いろいろあるよねという意味の「等」で使うと、文章はわかりにくくなります。

 本来、「等」「など」を使う場合、その前後に、それを示す具体的な内容が書かれていることが条件となります。そうすれば、「いちいち同じことを何度もすべて書かなくていいでしょう?」という意味となります。「さっき言ったよね」という意味の「など」です。

 それが、ときどき、安易に顔を出してしまう。具体的な文言が近辺にないのに、「など」を使うと要注意です。かなり前に触れたことや、そもそも前の文章を推敲して削ってしまったときには、書き手は頭の中で理解していても読者にはさっぱりわからないことになります。

「昼とか、いかない?」の「とか」

「など」や「とか」には、いわば「安全弁」みたいな役割もあって、その機能を否定しているわけではありません。「安全弁みたいな」の「みたいな」も同様ですね。最近、会話では安全弁を多用する傾向にありますので、文章にするときに注意したいのです。
 安全のため、念のために付け足した言葉は、削る方向で検討してみましょう。

「花とか果物とか、あんまり興味ないんです」
 なんて、「とか」を使いますが、これは安全弁以外になんの機能もしておりません。
 いわば緩衝材として「花と果物には興味ない」だと、キツく感じるので「とか」で薄めているわけです。花や果物の中に、当人としては曖昧な部分があり、もしかすると興味のある物も混じっているかもしれない、との恐れもあるからでしょう。
 そこが、文章としては問題になることが多く、緩衝材は要注意です。

「AとかBとか」と表現すると、AとBの間にさまざまあるのはわかりますので、その「ひとくくり」だろうと推測はできますが、断定はできません。単独で「Cとか、いやだよね」となると、Cのほかになにがいやなのか、さっぱりわかりません。「たとえばCはいや」の意味でしょう。例に出したC以外にもたくさんあるのか、ほかになにがあるのか。知りようがありません。

「ちょっとよくないかも」と気付く

 同様に、「新聞などが言っているように」と書いてしまうと、「など」ってなんだよ、となります。まだしも「報道で言われているように」の方がいいかもしれません。前者は新聞以外に狭くニュースのみに限定する人もいれば、ウェブやツイッター、人のウワサまで入れてしまう人もいるでしょう。後者は「報道」でくくられるので、まだマシ。最近は「メディア」も使いますね。メディアがどこまでを含めているのかは曖昧ですが。
 このように「など」「とか」を使わなくても、より幅広くまとめている言葉があるのなら、それを優先して「など」や「とか」を削ることを考えてみるのです。

 理想的には文章では、「○○新聞○月○日の記事にあるように」と断定、特定してしまったほうがいい。

「赤や黄色の花が咲いている」
「赤い花などが咲いている」
「赤い花が咲いている」

 どれも、さして表現から受ける印象は違いませんが、この中で真ん中の「赤い花などが咲いている」に「ちょっとよくないかも」と気付いて「よし、直そう」と取り組むことができるようになればしめたものです。

 文章の場合は、安全配慮しすぎ、緩衝材詰めすぎとなると腰の引けた文章となり、文章全体の信憑性や力強さを損なうことで読者に伝わりにくくなります。
 書くなら、とりあえずは「など」を削ってみる。削ったらその文章の存在意味を失うのなら、文章そのものを削る。

 どうしても残したいのなら、もう少し考えて「など」を使わなくてすむように具体的に書いてみる。その表現がキツすぎると思ったら、どのように和らげるか工夫する。

 こうした試行錯誤をする時間をとることで、「わかりやすい文章」となっていくはずです。

(初出かきぶろ2010-11-05、2021/06/04改稿)

 →副詞を削る

 →原稿の体裁

 

 

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