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いまあえて会社の予算を考えよう その1 予算って役に立ってる?

フレアビジネス研究会は、書籍、雑誌、Webで活躍する編集者・ライターによるビジネス系コンテンツの研究会です。経営から国際、経済など幅広い分野をカバーする専門家の集団となっています。2017年7月段階で7人が在籍。『課長・部長のための知っておきたいビジネス常識と教養』を2017年1月に、そして7月には『課長・部長のための予算作成と目標達成の基本』を上梓しています。
そこで、数回にわけて、会社の経営、事業の運営、営業といった面から「予算」について考えていきます。題して「いまあえて会社の予算を考えよう」。その1回目は、「予算って役に立ってる?」です。
予算って役に立ってる?
経営では、数字が重要なことは周知の事実です。上場企業は、常に前期比、前年同期比、同業他社比、業界比など数字で比較されています。
日々の仕事については「いつまでにこれを達成する」という目標をもって取り組んでいると思います。この目標の根拠は予算として、数値で公約されています。
ただ、ともすると予算の数値は、一人歩きしやすいですよね。そもそも「前期比10%増を目標にしよう!」となって、そこだけを取れば、「だいたい毎年、10%増って言ってるよね」と思えてきたりもします。
もしかすると、別に根拠があって、結果的に「前期比10%増」になったのだとしても、「前期比10%増」は「毎年、耳にタコですよ!」となってしまうかもしれません。
ですが、いまのところ、経営管理を考えたときには、予算による管理がもっとも便利で、上記のように比較がしやすく、対外的な説得力も高いのです。
予算管理をしているから業績がいい?
予算管理をしている企業と、していない企業を比較すると、どこが違うのかとよく言われます。これは明確な統計はないのですが、いくつかの資料などを見たところ、どちらが先かはわからないものの、経営計画を策定して公表し、予算管理をしている企業は、そこまでやっていない企業よりは業績がいいと見られています。日本の企業の9割は中小企業と言われており、中小企業の4割が赤字(経常利益がマイナス)と言われ、大企業の2割に比べても高いというのが、いわば常識のようによく語られる数字となっています。
参照:中小企業白書2017
どちらが先か、というのは、業績がいいので経営計画を策定したり予算管理ができる、業績が悪いとそういうことをしている余裕はない、といった声も聞かれるからです。現実として、未達の予算を抱えながら、そしてどうあがいても達成できそうにない予算数値をにらみながらの日々の活動は苦しいばかりです。「予算なんて絵に描いた餅」と言ってしまう気持ちもわかります。
達成できないときにどう動くか?
それでも予算にこだわるのは、予算管理をする前提で考えたほうが、悪い状況からの脱出方法を見つけるのも早くなるからです。
「企業経営とは、経営資源を有効に使い利益を最大にすることです。そのために、さまざまな戦略を実行していきます。その戦略を数字に落とし込んだものが長期・中期経営計画であり、それを短期(1年)に落とし込んだものが、「予算」になります。』(『課長・部長のための予算作成と目標達成の基本』より)
つまり、そもそもは、経営資源を使って利益を最大にするために組まれたものが予算。その予算のバックボーンとなるのが経営計画であり経営理念です。
この関係をきちんと把握しておくことで、「前期比10%増」といった予算にも、意味が出てくるのですし、それが達成できない場合の対応も見えてくるのです。
「予算なんて組んでも役に立たないよ」ではなく、「予算を役に立てる」ことそのものが経営であり広い意味でのマネジメントであり、リーダーシップだとも言えるのです。
つづく
『課長・部長のための予算作成と目標達成の基本』
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