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いまあえて会社の予算を考えよう その3 PDCAにはリーダーシップが重要

フレアビジネス研究会は、書籍、雑誌、Webで活躍する編集者・ライターによるビジネス系コンテンツの研究会です。経営から国際、経済など幅広い分野をカバーする専門家の集団となっています。2017年7月段階で7人が在籍。『課長・部長のための知っておきたいビジネス常識と教養』を2017年1月に、そして7月には『課長・部長のための予算作成と目標達成の基本』を上梓しています。
そこで、数回にわけて、会社の経営、事業の運営、営業といった面から「予算」について考えていきます。題して「いまあえて会社の予算を考えよう」。その3回目は、「PDCAにはリーダーシップが重要」です。
PDCAで予算を管理できるか?
PDCAについては、ご存じの方も多いことでしょう。
フレデリック・テイラーの『科学的管理法の原理』は1911年、アンリ・ファヨールの『産業ならびに一般の管理』は1916年に刊行されています。テイラーは「科学的管理法の父」とも呼ばれている人で、経営管理について学ぼうとすると必ず登場してくる人物です。この管理には働かせ方など職場の管理も含めていますし、予算管理も含まれます。
アンリ・ファヨールについては、フランス語の本だったこともあって、米国そして日本で知られるようになったのはずっとあとの第二次世界大戦後になってからと言われています。
このファヨールが提唱していた管理のサイクルがあります。
Planning(計画)→Organizing(組織化)→Commanding(指令)→Coordinating(調整)→Controlling(統制)
これが、いまで言うところのPDCAの元祖と言えるのではないでしょうか。
つまり予算に限らず、管理しながら前進させていこうとすると、こうしたサイクルで考えていくことが合理的だということです。PDCAは
計画(Plan)→ 実施(Do)→ 評価(Check)→改善(Action)
というサイクル(言葉は多少違うケースもありますが)で回していくことです。さらに簡素にPDSとする場合もあります。
では、予算管理もこの方法で管理していけばいいのでしょうか。
結論としては、基本的にはPDCAで管理するのがベターと考えられています。PDCAをしっかり実行しているところは、結果的に予算の達成度合いも高くなると考えられています。
警報装置が働いているか?
ただし、PDCAを形骸化させないためにも重要なことは、「評価(Check)」にあります。
先に、このCを抜いたという考えもあることに触れましたが、前に向かって進んでいるときには、「評価をしている時間がない」と考える人たちも多いものです。
まして、予算は期限のあるもの。「いつまでに、これだけ達成したい」と目標を立てるため、達成への行動こそが重視されます。
ですが、予算管理で重要なことは、「評価(Check)」なのです。「そんな時間はない!」と思うかもしれませんが、いま、目標とどれぐらいズレているのかを知らなければ、残りの時間の有意義な働き方がわからないはずなのです。猪突猛進で、最初に決めた行動を最後までやり遂げることもカッコいいですし、それによってギリギリセーフ!となることもゼロではありません。
このやり方をとると、次期にも同じことを繰り返す可能性があるばかりか、次期では運も味方せず未達に終わってしまう可能性もあります。
「評価(Check)」によって、どの程度の差異が生じているのか「警報装置」をちゃんと発動し、起きていることを「見える化」しておくことが大切なのです。
PDCAを回すということは、Pだけでも、Dだけでも、Cだけでも、Aだけでもダメで、PDCAを淡々とこなしていく習慣を身につけることが大事なのです。
警報装置をしっかり働かせて次の行動に結びつけること。それによって、次期の予算への取り組みも成功するする確率が高くなっていくのです。
リーダーシップが発揮される場面とは?
いくぞ、やるぞ、エイエイオー!とかけ声をかけて一致団結させることがリーダーシップだと考える人もいます。
予算管理ではそれだけでは足りません。
限られた資源、限られた時間で予算を達成させるための、冷静なリーダーシップも必要です。
とくに、猪突猛進であるとか、「自分の力でなんとかする」といったタイプのリーダーは、経験を次期に生かせない可能性が出てきますし、部下が育たない可能性も高くなります。リーダーが倒れた時にはぐずぐずになってしまう危険性もあります。
PDCAサイクルをしっかり回すためには、ある程度の犠牲(時間など)も必要となります。評価に時間をかけるより、顧客に頭を下げに行くべきだ、という判断もあるでしょう。ケースバイケースです。実際それが功を奏することもあります。
また、しっかり評価を冷静に実施して、最後のツメの段階でこれまでとは違う行動へ切り替える決断をしなければならないこともあるはずです。
そこで発揮されるべきなのがリーダーシップです。
「いったん、ここで止まって、ちゃんと確認するぞ!」と言えること。それを、できるだけ全体の日時の中で、一番よさそうなときに決断できること。
よさそうなときとは、「このまま進んだら未達になるかもしれない」といった警報が出ていて、「いったん立ち止まって検証し、対策を立てる」ための時間が残されており、さらに「新しい方向性で行動する(またはこのまま突き進む)」ことが可能なときです。
PDCAの、Cで止まったとき時間がなく、次のAが取れずに十分な成果が上げられなかったとしても、次期Pにそれが反映されていればまだしもですが、それもできずにまた以前と同じPのままにDへ突き進んでしまうことも、現実にはあり得ることです。これが常態化しているときには、リーダーは組織と予算管理のあり方そのものに疑問を持ち、どこがネックになっているのかをしっかり考えて対策を練る必要が出てくるのではないでしょうか。
『課長・部長のための予算作成と目標達成の基本』
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