NFL 2021年シーズン~第56回スーパーボウル

Football College Field Pitch  - Foundry / Pixabay

2021年シーズン

第56回スーパーボウル(2022 Super Bowl LVI)

 ラムズ(116)atベンガルズ(96) 23-20 
 2022年2月14日(月)。接戦でした。どちらが勝利してもおかしくない展開。難しい試合でした。
【試合前】スーパーボウルにありがちな、シーズンを通してきちんとウォッチしていなかったチーム同士、あるいは自分が押していたチーム以外の対戦となりがちなので自分の中での情報は少なくなりがちなので、今回は予想さえもできないまま試合を見ました。36歳のHCマクベイ、38歳のベンガルズHCテイラーは2年間ラムズのQBコーチ(当時のQBはゴフ)をしていたこともある人物。若いHC対決。ラムズに移籍し(以前はライオンズ)すぐにスーパーボウルとなったQBスタフォードですが、ドラフト1位指名QBとして能力も認められながらも、チームとしては結果が伴っていなかったままキャリアも13年目となっていました。ベンガルズのQBバーローは、2019年にハイズマン賞を取ったQBでカレッジでは全米チャンピオンを経験済み(LSU)。2年目でスーパーボウル出場となりもしチャンピオンになれば大学とNFLの両方でチャンピオンになれるかも。
 コイントスでベンガルズが勝って後半のレシーブを選択。
【前半】13-10。ラムズのペースになりかけているのか。しかしベンガルズはAFCチャンピオンシップでもチーフスに前半リードされながら同点にして延長で勝利しています。とくにベンガルズの守備は徹底してラムズのランを封じていました。ただしラムズのベッカムJRは見事に守備を振り切ってパスを受けていました。もっともフィールドの中央付近で早くも4dギャンブルをやったベンガルズの作戦は疑問でしたが(失敗してラムズにベッカムJRへのTDパス)。ベンガルズの武器であるRBミクソンのランと、WRチェイスへのパスが出たのにFG。TDできません。時間を使ったベンガルズ攻撃は、ミクソンのランと見せかけて彼がパスをするスペシャルプレーでTDできました。通常、スペシャルプレーは先にやった方が弱いチームだと私は思っています(やらないと勝てないからやったのだろう、と)。ベンガルズは劣勢をどう挽回するのでしょうか。ラムズは活躍していたベッカムJRが負傷してしまい後半どうなるのでしょうか。
【ハーフタイムショー】 ドクター・ドレー、スヌープ・ドッグが登場。50セントがサプライズで逆さのかっこうから登場。メアリー・J・ブライジ、ケンドリック・ラマー、そしてエミネム。ヒップホップの歴史を辿るようなショーでした。ドクター・ドレーは57歳、スヌープ・ドッグは50歳、エミネム49歳、ケンドリック・ラマー34歳で「We gon’be alright(大丈夫だ)」と歌い、エミネムは「This opportunity comes once in a lifetime(このオポチュニティーは人生で一度きり)」と歌う。opportunityは、語源は港に向かう風という意味からきているというのです。ラッキーとかif(もしも)とかではなく、明らかにある目的に向かうための機会。
【後半】ラムズもベンガルズも、そんな勝利へのopportunityがどこにあるのか、探り続ける展開でした。結果的に、後半早々のベンガルズのロングパスでレシーバーが守備のフェイスマスクに指をかけたかもしれないけど反則にならなかったように、試合は冒頭からほとんどイエローフラッグが飛ばなかったのに、終盤に立て続けに反則が出るという状況の中で、勝利を掴んだのはラムズでした。後半、TDとINTでたたみ掛けるはずなのに、ベンガルズはまたしても4dギャンブルをしてまで前進していたもののTDできずFG。リードを広げられませんでした。ラムズもベッカムJRは負傷で試合に戻れないことがはっきりし、スペシャルプレーも失敗。なかなか逆転できません。ただカップのラン、そしてTDパスで遂に逆転します。このとき試合の残り時間は残り1分25秒。23ー20。ベンガルズにもチャンスがあります。FGで同点。こうなると前半のキックの1点が取れなかったことが響くラムズですが、最後に守備によってトドメを刺しました。
 両チームともにほとんどランが出ず、また、パスも自由に投げまくっていたわけではなく、数字としてはランもパスもあまり出ず、QBのレーティングも平凡で、勝利したもののスターフォードにいたっては2INTをくらっており、MVPにWRクーパー・カップが選ばれたのもうなずける内容でした。カップは大事なところでよく活躍していました。私はラムズが勝利したらMVPは守備から出るのではとさえ思ったほどでした。またキックオフリターンが1回しかなく(パントリターンはありましたが)、スペシャルチームの活躍の機会が少ない試合でした。
 あとから思えば、前半からベンガルズはTDしたいところでFGになってしまっていましたが、その原因はドナルドに代表されるラムズ守備によるものでした。試合の流れとしてはTDしたのにキックで失敗したラムズがクローズアップされがちですが、TDがFGになってしまうと4点のロス、PATのキック失敗は1点のロスですから、TDできなかったことのほうが、opportunityとしては大きなマイナスです。
 とはいえ、最後の最後までわからない展開だったのは事実で、ベンガルズの最後のドライブもじわじわと動き出したところで、ドナルドにサックされて終わるわけですが、それまでラムズ守備対策としてやっていたクイックリリースのパスを投げていたらどうなっていたかわからなかったですね。でも投げることはできなかった。
 試合としては地元のラムズが勝利し、これで昨年に続いて地元チーム勝利という新たな伝説が生まれたわけです。同時に、スタフォードは自身のキャリア終盤にこの栄光を手にできたわけで、バーローはまだキャリアははじまったばかり。負けたとはいえ次につながると期待したいところです(もっとも、NFLではこれが最初で最後の機会、というケースも皆無ではないのですが)。

 

チャンピオンシップ

 カンファレンス・チャンピオンシップ(1月31日)は次のような結果となりました。
 AFC ベンガルズ(96)atチーフス(128) 27-24。Week17で対戦しベンガルズが勝利しています。この試合点数では接戦ですが、あとのないベンガルズの本気度に比べるとチーフスは安全な試合運びに終始していたので、チャンピオンシップとなればあまり参考にならないかもしれません。ベンガルズQBバーローは、1996年生まれ。チーフスQBマホームズの1つ年下。マホームズはプレイオフで1996年生まれのQBアレンの率いるビルズを下しています。
 前半はほぼ完璧なチーフスの試合。QBマホームズは3TD。ベンガルズはもたついています。ただし、前半最後のチーフスのドライブ。FGは確実なところまで進んでいたのにTDを狙いに行き失敗。時間切れで終わってしまいました。後半、チーフスの流れは完全にストップ。うまくいきません。QBマホームズからINT。そしてベンガルズがTD。徐々に流れはベンガルズへ。ところがQBバーローもINT。これでチーフスが流れを取り戻せればいいのですが、パントで終わります。このシリーズがいかにもチープ。ラン、パス不成功、そしてサック。せっかくのチャンスをパントです。こうして点差はしだいに縮まり、ついに逆転。ですがチーフスも攻撃。TDで逆転勝利を狙いますがまたもサック。FGを入れて同点。延長戦となりました。
 延長戦でコイントスの結果、レシーブを選んだチーフス。地元は大歓声。これで勝つと思ったのでしょう。ですがパス不成功、パス不成功と続き、長いパスを狙ってINT。1dも取れないまま攻撃権をベンガルズへ渡してしまったのです。ベンガルズは短いパスとRBミクソンの2つのランでFG圏内。3dでFGを選択し成功。ベンガルズが勝利しました。
 QBマホームズはほとんど走りませんでした。走れなかったというべきでしょうか。ベンガルズ守備の巧妙さに迷ってしまったのかもしれません。ランもパスも思い切りのいい、いつものようなリズムが出ないままで負けてしまった印象があります。前半最後のドライブもそうでしたが、どこに投げていいのかわからない状態となったのでしょう。それぐらいしっかりカバーされていたのだと思われます。このベンガルズの守備はあなどれないですね。また、ほぼ負けだと思われた試合をひっくり返し延長戦でもまさかの攻撃権を得たのに、冷静に攻撃できた点も見事でした。そもそもチーフスは守備はあまりよくなかったわけですが、最後の最後にそれが露呈してしまったようです。
 NFC 49ers(106)atラムズ(116) 17-20。今季3チームがプレイオフに残ったNFC西地区のライバル対決。Week10は49ers勝利。Week18も49ers勝利。ラムズは49ersが苦手なのでしょうか。とはいえ、プレイオフでバッカニアーズに勝利して自信をつけたラムズ。いい勝負になりそうです。
 同地区ライバルチームの対戦とあって、お互いによく知っているだけに難しい試合となりました。攻撃面ではQBスタフォードがいて、レシーバーにカップとベッカムJRがいて、守備面ではミラーとドナルドがいる。ポテンシャルが高いラムズなのですが、試合は49ersのペースで進みます。正確には49ers守備のペースというべきでしょうか。スタフォードもINTされます。しかしラムズ守備も強い。簡単に49ersに得点させません。先制はラムズ。悪いポジションから97ヤードのドライブを最後はカップへのTDパスで完結させました。しかしこれで流れを掴めたわけではなく、49ersがFGとTDで逆転して後半となりました。49ersはWR19ディーボ・サミュエルの活躍が素晴らしかったですね。これといったRBのいない49ersではサミュエルはラン攻撃もします。ラムズはFGを失敗し、なんだか嫌な雰囲気で後半。
 後半では、ラムズのサイドライン、HCマクベイがちょっとムリそうな場面でもチャレンジしていくのであっという間にタイムアウトを使い切ってしまうのですが、これは通常ではちょっと考えられない事態です。最終的に勝利したのでいいものの、負けたらかなり問題になるかも。ただし、ある意味で選手を信じてアグレッシブにやっているんだ、という意思表示にはなっていたかもしれません。戦う姿勢とでもいうのでしょうか。ラムズ守備陣も円陣を組んで檄を飛ばしていました。この後半の攻防は文字にしにくい複雑な流れとなりました。17-17の同点としたラムズ。どっちが勝つかわからない中でお互いに打ち消し合う。お互いにあわやINTの場面があり、中でも49ersは悔やまれるINT失敗がありました。49ers守備はなんとかラムズ攻撃をFGで食い止めます。すでに2ミニッツに入っており時間はありませんが、49ers攻撃が同点もしくは逆転できるか。痺れる時間帯。残念ながらQBガロポロはここでサックされそうになってムリな体勢からパスを投げ、レシーバーが弾いたボールがINTされてしまい、試合は終わります。ベンチでタオルを被って嘆く49ersサミュエルを、ラムズのベッカムJRが慰めるシーンが映し出されました。どっちかがダメだったわけではない試合でした。

 この結果、2月14日(月)の第56回スーパーボウル(Super Bowl LVI)は、ラムズ(116)atベンガルズ(96)となりました。2月7日にはプロボウル(オールスター戦)もあります。このページではプロボウルについては特に触れません。スーパーボウル、どっちが勝利するのか、どんなプレーが出るのか、楽しみですね。ラムズも本拠地としているロサンゼルスのSoFiスタジアムで開催されます。前回大会のバッカニアーズがはじめてホームでスーパーボウルに出場したチームでしたが、今回のラムズは2チーム目となりました。偶数の回ではAFCがホーム扱いとなる決まりなので、ホーム開催なのにアウェイ扱いとなります。

ディビジョナル・プレイオフ

 AFC、NFC各カンファレンスの決勝戦出場チームを決めるディビジョナル・プレイオフ。

 24日の試合。
 ラムズ(116)atバッカニアーズ(119) 30-27。勢いのあるラムズ、レジェンドQBブレイディのバッカニアーズ。KPはほぼ同じ。際どい試合になるのでしょうか。印象ですが、ラムズの得点力は総合力(攻守、スペシャルチーム)ですが、バッカニアーズは攻撃力重視の印象。Week3の対戦ではラムズが勝利していました。前半はラムズ。堂々とした攻守でバッカニアーズを圧倒。バッカニアーズはわずかFGのみで後半。勝利への振り子が両チームの間を大きく振れていく展開。追いつけないバッカニアーズでしたが、エースレシーバーのクーパー・カップへのパスがファンブルとなって、バッカニアーズもこのチャンスでTD。ブレイディもサックされてファンブルすれば、スタフォードはクラウドノイズのせいかスナップが乱れてファンブル。じわじわとバッカニアーズが点を詰めてきます。ラムズはFGでも追加すれば逃げられそうですが、失敗。サックされたりファンブルしたりと、とにかくめまぐるしい展開。ついにバッカニアーズは同点にします。ただわずかに時間が残っている。ここでQBスタフォードの成長を見ました。サックされても冷静にカップへ2本のパスを通してFG圏へ。残り時間のないところでFGを決めての勝利でした。
 ビルズ(106)atチーフス(128) 36-42。アグレッシブなビルズ。前の試合では余裕で勝利したチーフス。KPではチーフス優位ですが、ビルズはなにをしてくるかわかりません。チーフス守備がどう止めるのか興味深いです。Week5での両者の対戦はビルズ勝利でした。デビジョナル・プレイオフのこれまでの3試合ともホームチームが負けている中で、この試合はどうなるのか。ビルズQBアレン、チーフスQBマホームズのガチンコ対決。前半の2人のパスヤード、そして自らのランヤードともにほぼ互角。ミスやペナルティの少ない好ゲームとなりました。前半終了間際なのに全力で攻撃したチーフスでしたがFG失敗。同点で後半となりましたが、これまた取って取られて。残り時間のなくなる中での攻防はNFLファンにとっては生涯記憶に残る名勝負となりました。お互いに全力でやれることをやり切ったような試合は滅多に見られるものではありません。残り時間のないところでTDするチーフス。諦めないビルズもTDして残り1分を切っているのですが、そのわずかな時間にチーフスはこの試合、これまで地味な役割だったTEケルシーにいいパスが通り、FGを決めて同点。延長戦となりました。延長戦はチーフスがレシーブを選び、この試合ラン攻撃で目立ったエドワーズ=へレイヤー、そしてプリングル、ケルシー、マッキノン、ヒル、ハンドマンとつぎつぎと違うターゲットにパスを通して最後はやっぱりケルシーてTD。勝利しました。アレンは1996年生まれ、マホームズは1995年生まれ。このライバルの戦いは今後も楽しみです。

 23日の試合。
 ベンガルズ(96)atタイタンズ(96) 19ー16。AFCのチャンピオンシップへ行くのはどっちでしょう。KPでは同点。それにふさわしい際どい試合でした。第1シードのタイタンズはエースRBヘンリーが復帰。ですが、シーズン当初のような破壊的なランは出ません。あと1ヤード、あと2ヤードが届かないもどかしさ。QBタネヒルのパスは良くも悪くもこのレベルですがとくに今回はラン攻撃で爆発しない以上パス攻撃が注目されます。ベンガルズ守備もそこを狙う。そもそも最初の攻撃シリーズでタネヒルはパスを投げていきなりINTをくらうのです。これは強烈なメッセージでした。タイタンズはランを重視したくなったでしょう。タイタンズ守備はベンガルズのQBバーローを何度もサックしますが、それにめげずにバーローはいいパスを通します。とても賢明なQBだと感じました。RBミクソンもよかった。象徴的なのは同点になってからの両チームでしょう。時間を使いながらFGを入れれば勝ち。まるでチキンレースのような様相の中、RBヘンリーでも1dがうまく取れず(好調だったRBフォアマンにすればいいのに)、タネヒルのパスはINT。ベンガルズにチャンスが回ってきます。ここでも9回もサックしていたタイタンズ守備はなぜかプレッシャーをかけない。QBバーローはプレッシャーがなければしっかりパスを通すので、いっきにFGレンジへと近づきます。あとは時間を潰してギリギリのところでFG。ベンガルズが第1シードを破ってのアップセット。タイタンズは、QBタネヒルに疑問を持つかもしれませんね。
 49ers(106)atパッカーズ(110) 13ー10。気温が華氏12度、摂氏マイナス11度のランボーフィールド。暖かい西海岸から来た49ersは不利でしょう。それにパッカーズは第1シードです。寒すぎてボールが固くて重いのか、さっそく49ers攻撃では落球が目立ちます。パッカーズは最初のシリーズをいかにもQBロジャースらしい巧みな攻撃できっちりTDまで決めたので、このペースなら勝利間違いないのではと思えたのですが、厳しい寒さはどちらにとっても守備チーム優位となりがち。パッカーズもファンブルロストをしてしまいます。前半終了間際の攻防はこの試合を象徴していました。RBミシェルのラン攻撃がキーとなって進みはじめた49ersでしたが、FG圏内まで進めたのに反則で下げられ、QBガロポロはパスを投げてINT。パッカーズは時間もないのでこのまま流すかと思われたもののQBロジャースのパスが通っていっきに追加点のチャンス。ところがFGを49ersスペシャルチームがブロックします。このように進めても進めてもお互いに点にならないまま後半。とうとう雪が降ってフィールドを真っ白にしていく中、49ersは前半終了直前のようなドライブをするもののFG。パッカーズもFGを追加して逃げ切り体制。3ー10。49ersは4dギャンブル失敗。パッカーズもQBロジャースがサックされてしまう。その直後、パントをブロックされてリターンTD。なんと49ersがスペシャルチームで得点をして10ー10。今日のベンガルズatタイタンズに似た様相。つまりFGでもいいので先に点を入れた方が勝ちそう。2ミニッツを挟む攻撃で49ersはWR19サミュエルが1dを獲得(足首を痛めたようだけど)。45ヤードFGを成功させて、49ersがアップセット。2試合続けての番狂わせとなりました。

 この結果、カンファレンス・チャンピオンシップ(1月31日)は次のような組み合わせとなりました。
 AFC ベンガルズ(96)atチーフス(128) Week17で対戦しベンガルズが勝利しています。この試合点数では接戦ですが、あとのないベンガルズの本気度に比べるとチーフスは安全な試合運びに終始していたので、チャンピオンシップとなればあまり参考にならないかもしれません。ベンガルズQBバーローは、1996年生まれ。チーフスQBマホームズの1つ年下。マホームズはプレイオフで1996年生まれのQBアレンの率いるビルズを下しています。
 NFC 49ers(106)atラムズ(116) 今季3チームがプレイオフに残ったNFC西地区のライバル対決。Week10は49ers勝利。Week18も49ers勝利。ラムズは49ersが苦手なのでしょうか。とはいえ、プレイオフでバッカニアーズに勝利して自信をつけたラムズ。いい勝負になりそうです。
 

ワイルドカード

 2021シーズンもいよいよ終盤。ワイルドカードです。()内はKP点の合計。
 18日の試合。
 カーディナルス(104)atラムズ(116) 11-34。KPを見るとわかるようにシーズン前半好調だったのに後半がよくなかったカーディナルス、後半とてもよかったラムズ。カーディナルスはDEのワットが復帰するとのニュースがあり少し期待感。ですが試合は圧倒的にラムズでした。ラムズはRB25ミシェル、RBエイカーズらのランがよく出てQBスタフォードのパスもよかった。WRベッカムJRも好調。パスまで披露しました。メインターゲットのWRクーパー・カップはマークされているので、ベッカムやエイカーズをうまく使いました。一方、カーディナルスの攻撃はQBマーレーに期待したものの、ラムズの見事な守備に徹底して阻まれました。4シリーズ連続パント。そのうち3シリーズは獲得ヤードがマイナス。これでは勝てません。セーフティーを嫌ったのかムリに投げたパスをINTリターンTDまでされてしまいます。ラムズ攻撃は最初から最後までいいポジションからスタートできましたが、カーディナルスはいつも悪いポジションというNFLではよくある負けチームの特徴がそのまま出ました。ラムズはスペシャルチームも素晴らしく、総合的にいい出来でした。

 17日の試合。
 イーグルス(96)atバッカニアーズ(119) 15ー31。イーグルスQBハーツはプレイオフ初出場。相手は大ベテランのレジェンドQBブレイディ。とはいえバッカニアーズは攻撃のこれまで活躍していた選手がRBホーネットら4人欠けている状態。しかし攻撃ラインは見事でした。イーグルス守備の付け入るスキはありませんでした。前半で試合は決まった感じでした。後半早々にリターナーがファンブルロストしてしまった段階でイーグルス敗戦は決定的となりました。3つのTOはバッカニアーズ相手では致命的でした。
 49ers(106)atカウボーイズ(114) 23ー17。ワイルドカードではじめてアウエー側が勝利しました。尻上がりに調子のよくなっていたカウボーイズ。試合開始早々から49ersの勢いがよい。とくに守備が激しくプレッシャーをかけて、その間に攻撃が点を重ねていく。カウボーイズもクーパーへのパスなどで打開しようとするが追いつけないまま後半へ。カウボーイズは前半も反則が目立ったが、フォルススタートを2回繰り返すありさま。つぎの攻撃も背後からのタックルの反則、サック、そしてINT。49ersはWR19サミュエルのランでTD。勝負あり。だがQBガラポロがINTされプレスコットが走り込んでTD。23-17。49ersを追い詰めたと思ったらまた反則。カウボーイズは反則数でポストシーズン記録14(89ヤード)。カウボーイズは最後のチャンスを得たものの、まさかのQBプレスコットがスクランブルで走ってしまい、タイムアウトもないのでスパイクできず試合終了。カウボーイズは反則が多くミスが多くて負けた、となってしまうのでしょう。49ersもQBガラポロがあとは時間を使えばいいだけなのにムリにパスをしてINTされるなど、ミスはそれなりにあったのですが。
 スティーラーズ(80)atチーフス(128) 21ー42。冒頭部分はスティーラーズ守備が実力を発揮。互いに点を取れないまま2Q。TJワットがファンブルリターンTDと、予想を裏切るスティーラーズの先制。そこで目が覚めたか、以後、チーフスは持ち前のスピードと多彩な攻撃で点を重ねていき、試合としては前半で決めた印象です。前半2ミニッツでTDしたあたりで突き放しました。スティーラーズはWRスミスシュスターの復帰はあったもののRBハリスが思ったように走ることができず苦戦。QBロスリスバーガーもロングパスはほとんどダメなのでチーフスは守りやすかったでしょう。終盤はQBロスリスバーガーの引退試合的な様相。時間切れでTDまでは行けなかったのですがそれもよしとしましょう。ともかく一つの時代がいま終わったのでした。チーフスは文句なしの好調さでした。活躍すべき選手がきちんと活躍していました。

 16日の試合。
 レイダース(97)atベンガルズ(96) 19ー26。レイダースはWeek18にチャージャーズ相手に厳しい試合を勝利してあまり日数のないままにワイルドカードに。ベンガルズはその点、ブラウンズ戦はかなり緩くこの日に備えた調整のように見えたのです。レイダースの勢いがどう出るか楽しみでした。が、ベンガルズは最初からトップスピード。攻守にわたって元気いっぱい。レイダースQBカーのパスがちょっとずれている感じ。長いパスもあまり出せないようでした。前半はなんとか追いつこうとしたものの、後半もレイダースは爆発できないままで終始、効率よく勝利に向かうベンガルズのペースでした。効率よく点を入れたベンガルズに対して、数字としては悪くなかったのに点にならなかったレイダースといった印象です。NFLではしばしば起こる現象で、ヤードは稼いだのになあ、という感じ。
 ペイトリオッツ(116)atビルズ(106)。17ー47。シーズン後半に凄味を見せたペイトリオッツでしたが、ウィンドチル(体感温度)マイナス7度(華氏なので摂氏ならマイナス21度?)のフィールドは、まさに逆風。盛り上がるビルズファン。そしてビルズQBアレンが最初の攻撃から走る。RBのように走る。その勢いはすさまじく、前半で試合を決めてしまいました。7回の攻撃チャンスのすべてをTDで終わらせたビルズ。その守備に手を焼いて思うようにいかなかったペイトリオッツ。QBジョーンズのパスをレシーバーはよく落球していました。パスもあまりよくないのはプレッシャーもあったのでしょう。頼みのランも出ず。ビルズ攻撃が7回の3dを6回成功させていたのに対して、14回の3dのうち半分の7回しか成功できなかった。そしてペイトリオッツ守備はビルズのランを止められなかった。ビルズはQBアレンが66ヤード、RBシングレタリーが81ヤード走ったのです。ペイトリオッツはこの試合のランは89ヤードしか獲得できませんでした。印象としてはこうした数字以上の差を見せつけられた気がします。ビルズは攻撃ラインがみごとで、C60モースがプルアウトしてブロッカーになるシーンもたびたびあり、小型でもスピードのあるRBやWRをうまく使ってゲインしていたのが印象的。ただしPATのキックを2回も外していて、僅差ではちょっと不安になる要素でした。
 第1シードのタイタンズ(96)とパッカーズ(110)は1週お休みです。

 この結果、ディビジョナル・プレイオフ(AFC、NFC各カンファレンスの決勝戦出場チームを決める)は、次の通りとなりました。
 23日。ベンガルズ(96)atタイタンズ(96)、49ers(106)atパッカーズ(110)
 24日。ラムズ(116)atバッカニアーズ(119)、ビルズ(106)atチーフス(128)

2021年シーズン 勝手に採点

KPとは?

 試合結果からチームを勝手に10点満点で採点しています(かきっとポイント、略してKP)。あくまで主観(観戦歴40年)。意味付けや解説なし。わかりにくいでしょうけども。順位とも関係ありません。やりたいことをきちんとできていれば点数は高くなり、試合に影響を与えるミスが出れば低くなります。選手のパフォーマンスだけではなく、プレーコール、試合運びなどの戦術、選手起用なども私なりに評価しています。最初の数値が最新のゲームのものです。以降遡って表記。なお、私はスティーラーズファンなので、基本的にスティーラーズに甘いです。あとNFC西地区にも甘いかも。更新は不定期となります。
 表の順番は今季レギュラーシーズンの勝率の高い順。チーム名表記はnfljapan.comに準拠。チーム名の下に今季勝敗(勝ち数-負け数)、その下( )内は前季レギュラーシーズンの勝敗。
 2021年シーズンは18週間で各チーム17試合。スーパーボウル(第56回、Super Bowl LVI)は、2022年2月14日予定。2020年9月10日(日本時間以下同)からはじまりました。今季の私はDAZN、NFL.COM、オードリーのNFL倶楽部で観戦してきます。どうやらBS1での放映は期待できそうにありません。残念です。

2022/1/10更新 KP(かきっとポイント)は10点満点。-はBYE(その週試合なし)。

AFC NFC
AFC東地区          NFC東地区       

ビルズ

11-6
(13-3)

7,5,7
7,7,5,5,2
7,4,7,-,8
9,7,7,6,6

カウボーイズ

12-5
(6-10)

9,8,9
7,7,6,6,6
8,1,5,-,7
7,7,7,7,7

 

ペイトリオッツ

10-7
(7-9)

7,10,7
7,-,10,8,8
8,6,7,6,6
6,6,3,5,6

イーグルス

9-8
(4-11)

6,7,7
7,-,7,1,7
7,6,6,3,4
5,5,4,6,8

ドルフィンズ

9-8
(10-6)

7,0,7
5,-,6,5,5
5,4,2,3,3
3,4,6,1,6

ワシントン

7-10
(7-9)

5,4,0
4,5,7,8,8
7,-,4,4,4
4,4,4,5,2

ジェッツ

4-13
(2-14)

5.7,4
2,2,3,4,4
2,2,7,2,-
3,4,0,1,2

ジャイアンツ

4-13
(6-10)

2,2,2
2,4,4,6,4
-,6,4,4,1
4,6,3,4,1

AFC北地区 NFC北地区

ベンガルズ

10-7
(4-11)

6,10,7
6,7,4.6,5
-,4,5,7,4
6,5,5,3,6

パッカーズ

13-4
(13-3)

8,8
8,9,-,9,7
7,5,8,7,7
6,7,7,6,1

スティーラーズ

9-7-1
(12-4)

6,5,3
5,4,6,0,6
5,5,6,-,6
5,3,3,5,7

バイキングス

8-9
(7-9)

2,6
7,7,5,6,8
7,4,4,-,5
4,4,7,6,4

ブラウンス

8-9
(11-5)

6,3,3
4,6,-,5,5
5,8,5,7,7
7,8,8,7,7

ベアーズ

6-11
(8-8)

6,6
1,4,2,4,4
-,4,2,0,4
5,4,3,5,5

レイブンズ

8-9
(11-5)

6,6,2
4,4,6,6,4
0,5,-,4,7
7,7,7,8,8

ライオンズ

3-13-1
(5-11)

2,6
6,2,6,4,3
5,-,0,5,2
3,2,5,4,5

AFC南地区 NFC南地区

タイタンズ

12-5
(11-5)

7,5,7
5,5,-,2,0
7,9,7,8,8
7,4,5,7,3

バッカニアーズ

13-4
(11-5)

9,7,7
0,8,8,8,7
5,-,6,8,8
8,6,7,9,8

コルツ

9-8
(11-5)

6,6,8
9,-,7,8,9
7,7,7,6,5
5,6,4,6,6

セインツ

9-8
(12-4)

7,5,0
7,7,0,0,4
5,4,7,5,-
5,5,4,2,10

テキサンズ

4-13
(4-11)

 

6,5,7
5,3,0,3,5
-,2,2,1,0
3,0,5,6,6

ファルコンズ

7-10
(4-12)

5,5,6
5,6,3,4,0
0,5,3,4,-
4,3,4,4,2

ジャガーズ

3-14
(1-15)

6,3,4
2,0,0,2,2
6,5,1,-,4
2,5,4,2,2

パンサーズ

5-12
(5-12)

2,4,4
4,3,-,0,6
8,2,5,2,4
4,6,8,8,4

AFC西地区 NFC西地区

チーフス

12-5
(14-2)

8,9,10
9,10,9,-,9
9,7,5,4,7
5,7,6,7,7

ラムズ

12-5
(10-6)

7,6,7
9,9,5,3,-
3,7,9,7,7
7,7,8,7,8

レイダース

10-7
(8-8)

8,7,5
5,4,6,6,2
2,5,-,6,6
4,6,7,9,9

カーディナルス

11-6
(8-8)

7,8,4
1,5,7,-,6
0,8,7,7,9
8,8,6,6,7

チャージャーズ

9-8
(7-9)

8,9,6
8,7,7,4,7
6,7,4,-,4
8,8,7,6,4

49ers

10-7
(6-10)

7,6,6
7,7,5,7,7
7,4,5,3,-
7,6,7,8,7

ブロンコス

7-10
(5-11)

7,5,5
5,7,5,7,-
4,6,5,4,4
4,4,7,7,6

シーホークス

7-10
(12-4)

7,6,5
5,7,5,5,2
0-,6,4,5
6,6,5,6,8

Week18を終えて レギュラーシーズン終了!

 2021シーズンも終わりです。前季より1試合増えて18週までとなりました。
 10日の試合。スティーラーズはレイブンズに延長の末に勝利。他の試合結果によってはプレイオフもあり。そのカギとなるコルツは、まさかのジャガーズに大敗。さらにチャージャーズatレイダースはこちらも延長戦となってもお互いにFGを決める展開。レイダースがもう1本のFGを決めて勝利。この結果、レイダースとスティーラーズがワイルドカードに残りました。
 パッカーズはQBロジャースが2TDしたあとサイドラインに下がっての敗戦。49ers atラムズも延長となり49ersが勝利してワイルドカード。AFC西地区は3チーム出場となりました。
 9日のチーフスatブロンコス、カウボーイズatイーグルスを見た限り、プレイオフを控えてなのか選手が揃わないからかハードなタックルは少なく穏やかな試合と見受けられました。カウボーイズQBプレスコットはこれまでのチームのシーズン記録(QBロモ)を塗り変えましたが1試合多いので……。しかしこの試合も好調でした。イーグルスは負けたもののプレイオフは決定しているのでムリはしませんでした。チーフスも素直な試合展開。QBマホームズもよく走っていました。
 次週はワイルドカード。()内はKP点の合計。
 16日レイダース(97)atベンガルズ(96)、ペイトリオッツ(116)atビルズ(106)。
 17日イーグルス(96)atバッカニアーズ(119)、49ers(106)atカウボーイズ(114)、スティーラーズ(80)atチーフス(128)。
 18日はカーディナルス(104)atラムズ(116)。
 第1シードのタイタンズ(96)とパッカーズ(110)は1週お休みです。

Week17を終えて

 新型コロナ蔓延によって選手の起用も大きく変わっているため、戦力がまったく読めない状態が続いています。コルツはQBウェンツが復帰、バイキングスはQBカズンズがコロナのリスト入りでQBSean Mannionなどなど。カウボーイズatカーディナルスは前半はカーディナルス、後半はカウボーイズといった感じで、際どい勝負となりました。カウボーイズはチャレンジできないときに微妙なプレイがあって、追いすがったのに逃げられた感じでしたね。
 AFCは、ビルズ、ペイトリオッツがプレイオフ出場決定、地区優勝は最終週Week18で。ベンガルズが地区優勝。タイタンズ地区優勝。チーフスはすでに地区優勝を決めています。あと2チームのワイルドカード争い。9勝のコルツ、チャージャーズ、レイダースの中からとなるのでしょうか。
 NFCは、カウボーイズ地区優勝につづいてイーグルスがプレイオフ出場決定。すでに地区優勝を決めているパッカーズは13勝まで伸ばしました。バッカニアーズも地区優勝となりましたがジェッツ相手に心配な試合を披露。ラムズ、カーディナルスもプレイオフ出場決定です。あと1チーム。9勝している49ers、8勝のセインツのどちらかでしょうか。
 ここまで来ると、細かいことよりも勝つか負けるかのシンプルな問題になってきます。いまさら選手起用とか作戦といってもね。KPで10点はペイトリオッツ、ベンガルズ。9点はチーフス、チャージャーズ。いずれもAFCなのは、NFCはおそらく力関係がはっきりしてきたのでプレイオフを睨んでの試合が多かったからかもしれません。
 MNFのブラウンズatスティーラーズ。今季地元最後の試合となるスティーラーズ。18年やってきたQBロスリスバーガーは引退を報じられており、会場は異様な雰囲気。スティーラーズ守備がすばらしくNFLのサックリーダーでもあるTJワットのサックなどでブラウンズに攻撃をさせない。スティーラーズはRB22ハリスが、往年のスティーラーズの名選手、フランコ・ハリスの新人記録を抜く。QBロスリスバーガー自身はなかなかパスは通らないいつもの感じでしたが、試合後に感極まってのインタビュー、さらに会場に手を振り、観客たちにハイタッチもするなど、名残惜しそうでした。なおスティーラーズはまだプレイオフの可能性がわずかに残っています。
 Week18は当初は10日に全試合のはずでしたが、現在のところ、9日に2試合あって残り試合が10日となっています。プレイオフ可能性を競っているチームを見ると……。
 AFCは、コルツatジャガーズ、チャージャーズatレイダース、スティーラーズatレイブンズ。コルツを除き、直接対決なのでまず勝つことが重要です。
 NFCは、49ers atラムズ、セインツatファルコンズ。ラムズはパッカーズ、バッカニアーズとシード権も争っているので厳しい試合になる可能性もあります。
 ほか、カウボーイズatイーグルス、シーホークスatカーディナルスにも注目しています。いずれにせよ、昨季から1試合増えた今レギュラーシーズンの最後の試合となります。

Week16を終えて

 チーム状態の差がはっきり出て前半で決まってしまう試合なども出てきました。また、ケガを避けたいためかスライディングする選手も増えたようです。ハムストリングのケガは多いので足元へのタックルはこの時期、避けたいですよね。プレイオフ出場を狙っているチームの場合は。
 NFCは、パッカーズは12勝で地区優勝決定。カウボーイズがワシントンに快勝して11勝で地区優勝決定。バッカニアーズはQBブレイディの調子はいまいちですがパンサーズに圧勝して11勝し地区優勝決定。ラムズはバイキングスに勝利して11勝でプレイオフ決定。カーディナルスは後述のようにコルツに負けたものの10勝でプレイオフ決定。この結果、のこりの枠は8勝のイーグルス、49ers、7勝のバイキングス、ファンルコンズ、セインツからどこかになりそう。
 AFCは、スティーラーズを圧倒したチーフスが11勝で地区優勝決定。タイタンズ10勝、9勝にビルズ、ペイトリオッツ、ベンガルズ、コルツ。8勝にドルフィンズ、レイブンズ、チャージャーズ、レイダース。あと2試合、どんな結果が待っているのでしょうか。
 KPでは、チーフス10点、カウボーイズ9点、パッカーズ、コルツが8点。中でもコルツは地区優勝も狙える位置です。とはいえ、最新情報ではQBウェンツほか数名が新型コロナ関係で次戦の先発から外れてしまい、どうなることでしょう。
 タイタンズは主力RBヘンリーを欠いたままですが、ラン攻撃のスキームは健在。49ersQBガロポロはしっかりとリードしていてこのまま勝てるかと思われたのに、タイタンズがじわじわと迫り、QBタネヒルのスクランブルもあって終わって見れば1FGの差で勝利していました。なかなか強い。どちらも守備がいい仕事をしていました。
 コルツatカーディナルス。カーディナルスはこの日、FGを2本失敗。PATのキックを失敗。肝心なところで前半だけで7つの反則。おまけにスナップミスでセーフティを取られると散々でした。FG1本とTD後のキックだけでも成功していれば勝てた可能性の高い試合でした。とはいえこの日のコルツはQBウェンツ、109ヤード走ったRBテイラー、そして守備陣が勢いもよく前半でほぼ決めたような印象さえありました。コルツは残りレイダース、ジャガーズ。タイタンズはドルフィンズ、テキサンズ。果たしてAFC南の地区優勝はどちらになるのでしょうか。
 ブラウンズは混戦のAFC北地区でまだ地区優勝の可能性があります。パッカーズ戦は惜しくも敗れてしまいました。QBメイフィールドが4INTとは残念です。小柄ながら126ヤードも走ったRBチャブが報われませんでした。
 なおジャガーズatジェッツはどちらも今季はもうチャンスのない状態ながらも楽しい試合を見せてくれました。NYのファンは熱いですね。ラムズはQBスタフォードが3INTという最悪の状況なのにスペシャルチームのおかげで勝利。バイキングスは痛い1敗です。
 Week17は、大詰めを迎えたシーズンというのに、新型コロナ蔓延によって選手の起用も大きく変わっているため、戦力がまったく読めない状態です。試合は1月3日と4日に予定されています。チーフスatベンガルズ、ファルコンズatビルズ、ラムズatレイブンズ、カーディナルスatカウボーイズ、バイキングスatパッカーズ、ブラウンズatスティーラーズなど興味深いカードが多数。

Week15を終えて

 突然スケジュールが変更になりました。19日は1試合のみ。20日10試合、21日に2試合、22日に2試合と変則になりました。理由は新型コロナの蔓延です。NFLでは今回、ワクチン接種済みの選手は24時間以内の2回の検査で陰性を確認、さらに無症状であれば1日隔離で復帰可能としています。とはいえこれで日程がずれてしまうわけですね。
 コロナウィルスとケガ人でチーム状況が大きく変わりやすい。そのせいもあってか、地区首位を争っているチームが思わぬ敗戦をするような試合も目立ちました。
 AFCは、チーフスが10勝、タイタンズとペイトリオッツ9勝、ビルズ、ベンガルズ、レイブンズ、コルツが8勝。ドルフィンズ、スティーラーズ、ブラウンズ7勝。
 NFCは、パッカーズ11勝、カウボーイズ、バッカニアーズ、ラムズ、カーディナルスが10勝。49ersが8勝、7勝にイーグルス、バイキングス、セインツ。NFCのパッカーズはプレイオフと地区優勝決定。カウボーイズはプレイオフ決定(これはWeek16に49ersが負けた結果ではあるのですが、この原稿執筆時の関係です)。
 KPで見ると、コルツ、チーフス、ラムズに9点。ラムズの勢いはすごいです。パッカーズ、チャージャーズ8点。一方で、バッカニアーズとカーディナルスは強いもののこの試合に限っては厳しい点となりました。カーディナルスはWeek16のコルツ戦がとても重要。バッカニアーズは同地区のパンサーズ戦でこれを落としたとしても地区優勝は狙えますけどシード権は厳しくなりそう。
 レイブンズatパッカーズは、またしてもレイブンズはキックを入れれば同点で延長になったはずの試合で2ポイントを狙いに行き失敗して負けている。理由は不明だ。バッカニアーズatセインツは、互いにTDが取れないまま推移しセインツは3つのFGを成功させたが、QBブレイディのバッカニアーズはまさかの0点。ブレイディはINTされて終わっています。中継によれば1970年以降で、はじめて地区首位のチームで完封負けしたそうです。新型コロナの影響もあって、今季は奇妙な現象が随所で起こるシーズンとなりました(1日にオンサイドキックが4回も成功したWeek14ですね。しかもオンサイドキックを成功させたチームは勝つわけでもなく)。
 スティーラーズatタイタンズは、エースRBヘンリー不在ながらもランの切れ味のいいタイタンズ。守備の復調が課題のスティーラーズ。試合はタイタンズペースなのに後半になってスティーラーズの守備とタイタンズの反則でじわじわと差が詰まり、とうとうスティーラーズが逆転してしまいました。守り切った感じです。この試合でQBロスリスバーガーのパス獲得ヤードは歴代5位になりました。
 チーフスatチャージャーズはどちらも勢いのあるチーム。そしてAFC西地区の地区優勝を争っています。試合はチャージャーズのペースで進みます。しかもジャクソンとエクラーのランを主軸としました。チーフスQBマホームズもパス中心で攻撃をしますが突き放すことはできず。終盤になってマホームズも走り、ケルシーへのパスも大きなゲインとなっていきますが、チャージャーズのTDで同点となり延長。チーフスのレシーブではじまり、またもケルシー。そしてヒル。この日、ケルシーは自己最高の191ヤードを稼ぎ2TD、ヒルも148ヤード獲得で1TD。マホームズは重要なところで3回走って32ヤード稼ぎました。しかもパスで410ヤード、3TD、1INT。
 Week16は、24日にすでに1試合終えて、26日に2試合、27日、28日と続きます。49ersatタイタンズ、コルツatカーディナルス、ラムズatバイキングス、スティーラーズatチーフスなど気になる試合が多数です。そしてWeek18で終わりなので、そろそろプレイオフ決定、地区優勝決定といったチームも増えていくのではないでしょうか。

Week14を終えて

 NFCは、パッカーズ、バッカニアーズ、カーディナルスが10勝。地区優勝有力チームです。次はシード権争いですね。カウボーイズ、ラムズが9勝。49ersが7勝。6勝にワシントン、イーグルス、バイキングス、ファルコンズ、セインツ。
 AFCは、ペイトリオッツ、タイタンズ、チーフスが9勝。地区優勝有力チームです。次はシード権争いです。レイブンズ、チャージャーズが8勝。ビルズ、ブラウンズ、ベンガルズ、コルツ、ブロンコスが7勝。
 KPで見ると(BYEのチームは除く)、チーフス10点、パッカーズ、ラムズ9点、バッカニアーズ8点、ビルズ、カウボーイズ、バイキングス、ベンガルズ、セインツ、シーホークス、チャージャーズ、ブロンコス、49ersが7点といったところ。
 MNFのラムズatカーディナルスは、NFC西地区の首位争い。ラムズ守備は絶好調でカーディナルスQBマーレーを叩きました。攻撃面でもQBスタフォードは好調で、今季のNFLのこれまでリーダー的な活躍をしていたカーディナルスを黙らせました。カーディナルスはホームの勝率がイマイチなチームで、他の地区優勝チームがホームの勝率が高いのに比べてとても珍しい現象。ロードでは7ー0なのにホームでは3ー3です。残り3試合でアウェイが2試合なのでカーディナルスはまだ地区優勝候補です。
 レイダースatチーフスは、前半だけで4つのTOでギブアウェイしてしまったレイダース。しっかり調子を上げてきたチーフスが攻守にわたっての圧勝でした。とくに守備が見事でした。49ers atベンガルズは接戦になりました。ほぼ互角ですね。延長になりFGになったベンガルズ、そしてブランドン・アイユクのスーパーキャッチでTDした49ers。
 ビルズatバッカニアーズは、ちょっと似たタイプのチーム同士の印象で、違いといえばビルズQBアレンの走力に比べると、バッカニアーズQBブレイディはあまり走らない。ところがこの試合ではブレイディが走りました。やるときはやると。一方、ビルズ守備はとくに後半、ブレイディのパスをかなり的確に不成功にさせてチャンスを生み出します。前半だけ見るとビルズに勝機はなさそうでしたが、後半になるとグイッと勝機をたぐり寄せたところはなかなかの見物でした。延長戦に持ち込んだビルズでしたが、せっかくビルズのレシーブではじまったチャンスが活かせず負けてしまいました。あそこで勝つかどうかは大きな差なのでしょう。
 Week15はBYEのチームはありません。日本時間、17日に1試合、19日にも2試合、20日にほかの試合となっています。チーフスatチャージャーズ、ペイトリオッツatコルツ、カウボーイズatジャイアンツ、ベンガルズatブロンコス、パッカーズatレイブンズ、シーホークスatラムズ、バイキングスatベアーズに注目しています。※その後スケジュールが変更になりました。19日は1試合のみ。20日10試合、21日に2試合、22日に2試合と変則になりました。

Week13を終えて

 AFCは、ペイトリオッツ9勝、レイブンズ、タイタンズ、チーフスが8勝。各地域の優勝候補です。ビルズ、ベンガルズ、コルツ、チャージャーズが7勝。ドルフィンズ、スティーラーズ、ブラウンズ、レイダース、ブロンコスが6勝。ここまでがいまのところプレイオフのチャンスの大きなチーム。ジェッツ、テキサンズ、ジャガーズは来季の奮起を期待しましょう。
 NFCは、カーディナルスが10勝、パッカーズ、バッカニアーズが9勝、カウボーイズ、ラムズが8勝、ワシントン、イーグルス、49ersが6勝。ライオンズが劇的なTDでついに今季初勝利をあげました。着実にチームは向上しているようです。
 KPで見ると、ペイトリオッツ10点満点(後述)。栄光のQBブレイディらを失っても定位置に戻ってきました。チーフス9点。一時もたついていましたが、チーフスらしが戻ってきています。バッカニアーズ8点。まだまだ強い。7点にワシントン、コルツ、チャージャーズ、カーディナルス(BYEのチームは除く)。
 残り今週を入れて5週。最大5試合しかどのチームも残っていません。地区優勝を狙う、さらにその上のプレイオフでのアドバンテージを狙ってシード権を取る、あるいはワイルドカードに滑り込むチームは必死です。一方、来季のドラフト権を狙うならもはや今季の勝利はそれほど意味のないチームもあるでしょう。GMはドラフト権もいいと思うでしょうが選手やHCやコーチ陣はクビになる可能性があるので結果を残したいところでしょうけど。
 MNFのペイトリオッツatビルズ。同地区対戦で地区優勝争い。チーム力が上がっているペイトリオッツ、いまいちなビルズ。小雪混じりで風も強い。老獪なHCベリチックはラン攻撃を仕掛けます。パントになってもしつこくランでいく。それが後半になっても変わらない。ひたすらラン。ガシガシ行く。QBジョーンズは走るタイプではないので、RBハリス、スティーブンソン、ボルデンと3人も使い、さらにWRアグロール、ボーンも走らせる。合計222ヤード。そして守備がすごい。ビルズはQBアレンが投げて、自ら走る攻撃。ランを止め投げさせてカバーする。パスの成功率を下げる。ロースコアである限り続けるつもりだったのでしょう。終わってみれば14-10。QBアレンは30回投げて15回しか通らず。一方ペイトリオッツQBジョーンズは、わずか3回のパスで2本成功させただけで勝利しました。いまのNFLとしては極めて地味な戦いながらも、往年のフットボールファンは熱くなったに違いない戦いぶりでした。17回スーパーボウル(1983年)で、ワシントンがドルフィンズを撃破したとき、RBリギンズのラン攻撃をしつこく繰り返したことを思い出します(このときのQBサイズマンはパスもちゃんと投げていますけども)。この4年後、NYジャイアンツで、ベリチックはHCビル・パーセルズの下で守備コーチとしてスーパーボウルを経験することになります。攻撃ラインのブロックとパス守備に自信があるからこそのゲームプランでしょう。もちろんビルズがわずかな時間でTDを取って見せれば話は大きく変わったのですが、それができませんでした。
 レイブンズatスティーラーズは、このところ低迷しているスティーラーズと地区優勝を狙うレイブンズ。同地区なので重要な試合ですが、レイブンズのペースのようでもスティーラーズ守備がとてもしつこくロースコアで展開。最後の最後にスティーラーズはTDして逆転。2ポイントも決めました。それでもレイブンズは持ち前の攻撃力でさらにTDを奪う。PATのキックで同点なのに、なぜか2ポイントで勝利を狙い失敗。なぜキックで同点、延長戦としなかったのか。勝てる自信があったのか、それとも延長戦で引き分けているスティーラーズのしつこさを嫌った(ケガでもしたら大変だ)のか。わかりませんが。見応えのある終盤でした。
 Week14は、スティーラーズatバイキングスではじまり、レイブンズatブラウンズ、カウボーイズatワシントン、レイダーズatチーフス、49ersatベンガルズ、ビルズatバッカニアーズ、ベアーズatパッカーズ、そしてMNFのラムズatカーディナルスまで注目カードが多数。同地区内の対戦はとくに熱いですね。

Week12を終えて

 NFCは、パッカーズ、カーディナルスが9勝、バッカニアーズ8勝、カウボーイズ、ラムズ7勝。49ers6勝。そして5勝にワシントン、イーグルス、バイキングス、ファルコンズ、セインツ、パンサーズ。NFC北地区は全チーム5勝以上。
 AFCは、ペイトリオッツ、レイブンズ、タイタンズが8勝、ビルズ、ベンガルズ、チーフスが7勝、ブラウンズ、コルツ、チャージャーズ、ブロンコス、レイダースが6勝。AFC北地区は全チーム5勝以上、AFC西地区は全チーム6勝以上。
 地区優勝できない場合もワイルドカード(カンファレンスの勝率の高いチーム)がプレイオフへ進める、つまりスーパーボウルのチャンスがありますから、6勝とか5勝のチームもまだもしかすると、ということがあります。
 KPでは、パッカーズ9点、今週は試合のなかったチーフスも暫定9点。8点にワシントン、ペイトリオッツ、コルツ、バッカニアーズ。地区内の試合は残り試合が少なくなってきたこともあって、特に熾烈です。熟知している者同士なので思いがけないミスを招いたり、際どい戦術も選択しなければならず失敗しやすい状況も増えます。苛烈になるとケガも増えます。さらに寒くなって悪天候、コロナ禍による選手やコーチ陣の欠落などもあって思いがけず残念な試合になってしまうケースもあるのが今季の特徴でしょうか。
 Week13では、チャージャーズatベンガルズ、ワシントンatレイダース、ブロンコスatチーフスに注目しています。また地区内対決ではレイブンズatスティーラーズ、49ersatシーホークス、MNFのペイトリオッツatビルズなど楽しみです。
 サンクスギビングデーの金曜日に3試合が行われました。ベアーズatライオンズはあまり期待していなかったのですが、このところ調子を上げているライオンズが「もしかして勝てるかも」と思わせながらやっぱり負けてしまう。ですがいまのベアーズとなら勝ってもおかしくなった試合でした。レイダースatカウボーイズは反則が多く、それも肝心なところで発生。カウボーイズに目立ちましたが、なんとか同点でオーバータイムに持ち込んだものの、最後も反則でレイダースのFGが決まって終わりました。ビルズatセインツは、セインツ側の主力選手がいない状態で試合になりませんでした。ビルズも調子を落としていましたが、さすがにこれは勝ちますね。

Week11を終えて

 AFCは、8勝のタイタンズ、7勝はペイトリオッツ、レイブンズ、チーフス、6勝はビルズ、ベンガルズ、ブラウンズ、コルツ、チャージャーズ。ただし勝率では引き分けをしたスティーラーズがブラウンズより上に。
 NFCは9勝カーディナルス、8勝パッカーズ、7勝カウボーイズ、バッカニアーズ、ラムズ。5勝にイーグルス、バイキングス、セインツ、パンサーズ、49ers。
 KPでは、コルツ、チーフスに9点を。ワシントン、ペイトリオッツ、バイキングスに8点。イーグルス、パッカーズ、バッカニアーズ、チャージャーズ、49ersに7点。
 タイタンズは、雨の試合とはいえ相手は同地区ながらも1勝しかしていないテキサンズ。ところがQBタネヒルが4INT、リターナーが不用意にボールに触って合計5つのTOを喫し、いいところなしながらもまだAFC首位です。
 コルツはビルズに快勝。天候は悪かったとはいえラン攻撃でコルツは圧倒しました。QBニュートンが戻ってきて2戦目のパンサーズはワシントンに善戦したものの敗れました。QBハイニキの闘志があふれていました。チーフスはカウボーイズ相手に完璧な試合をやり遂げてプレイオフへ向けて意欲が高まっているように見えました。
 カーディナルスは同地区シーホークスをQBマッコイで粉砕。9勝目。パッカーズatバイキングスはすごい試合になりました。攻守にわたる激闘で最後の最後までわからない展開をバイキングスが勝利。
 スティーラーズはなかなか勝てない西地区へ行きチャージャーズと対戦しこちらも激闘を繰り広げました。もうだめだと思ったときにパントをブロックするなど相変わらずスティーラーズの凄味はあったものの、チャージャーズQBハバートもスクランブルを果敢に繰り返しつつ、見事なパス攻撃も見せて勝利。久しぶりにすさまじい戦いを見たものの、KPは辛口です。
 MNFはグロンカオスキー復帰のバッカニアーズはジャイアンツを一蹴。とくに守備がよかったですね。
 Week12は、サンクスギンビングデーの日本時間金曜日(26日)に3試合あります。注目しているカードは、レイダースatカウボーイズ、ビルズatセインツ、そして月曜にバッカニアーズatコルツ。タイタンズatペイトリオッツ、スティーラーズatベンガルズ、ラムズatパッカーズ、バイキングスat49ers、ブラウンズatレイブンズ。ほかにジェッツatテキサンズやパンサーズatドルフィンズも気になります。残り6週ですからね。チーフス、カーディナルスはBYE。

Week10を終えて

 NFCは、8勝のパッカーズ、カーディナルス、7勝のカウボーイズ、ラムズ、6勝のバッカニアーズ。5勝はセインツとパンサーズ。
 AFCは、8勝のタイタンズ、6勝のビルズ、ペイトリオッツ、レイブンズ、チーフス、5勝のスティーラーズ、ベンガルズ、ブラウンズ、コルツ、チャージャーズ、レイダース、ブロンコスといった感じ。
 そろそろプレイオフそしてスーパーボウルを目指そうと本気になっているチームと今季はあきらめて来季に向けて立て直そうと考えているチームで大きな差が出てきている印象があります。上記のようにNFCでは5勝のセインツとパンサーズが同地区(NFC南)で今後も熾烈な争いになりそう。AFCはさらに混戦でAFC北はレイブンズ、スティーラーズ、ベンガルズ、ブラウンズと全チームが5勝以上。AFC西もチーフス、チャージャーズ、レイダース、ブロンコスが全チームが5勝以上。今後もこうしたチームの戦いが注目されます。
 Week10ではその中でパンサーズにQBニュートンが復帰、要所だけに登場して強敵カーディナルスを相手に勝利に貢献しました。バッカニアーズがワシントンに負けたのも意外。ものすごく寒そうなシーホークスとパッカーズの対戦では、ともに正QBのウィルソンとロジャースが復帰。パッカーズは地元だけに勝利できましたが、シーホークスの攻撃力はちょっと心配ですね。心配といえばこれまで強さしかなかったタイタンズもケガ人が増えて少し調子を落としているように見えますが、すでにプレイオフへの準備が始まっているとも言えますね。なお、シーズンに1試合あるかないかの引き分けを喫したスティーラーズとライオンズ。ライオンズはまだ未勝利で、そこと引き分けてしまうスティーラーズの状態はかなり心配です(QBロスリスバーガーがコロナ陽性で不在でした)。
 これまでに13チームもが今季スターターQBからバックアップQBが登場したことも話題でとなっています。ワシントン(ハイニキ)、ベアーズ(フィールズ)、テキサンズ(ミルズ)、ドルフィンズ(ブリセット)、49ers(ランス)、シーホークス(スミス)、ブラウンズ(キーナム)、カウボーイズ(ラッシュ)、ジェッツ(ウェンツ)、カージナルス(マッコイ)、パッカーズ(ラブ)、セインツ(シミアン)、パンサーズ(ウォーカー)。そこにスティーラーズも加わったわけですが。
 KPで見ると。9点にチーフス。同地区対決レーダースに快勝し久しぶりにチーフスらしさを発揮。8点のパンサーズ、ペイトリオッツ(QBジョーンズはどんどんブレイディのクローンになっていく!)、カウボーイズ。7点はビルズ、ワシントン、イーグルス、パッカーズ、バイキングス、タイタンズ、コルツ、49ers。今季のKPは0点が多いのですが、Week10も残念なチームが……。
 Week11では、ペイトリオッツatファルコンズ、ワシントンatパンサーズ、コルツatビルズ、ベンガルズatレイダース、カーディナルスatシーホークス、カウボーイズatチーフス、スティーラーズatチャージャーズなどに注目しています。また裏注目的にはドルフィンズatジェッツでしょうか。似たようなチーム状態同士とも言えるので。

Week9を終えて

 AFCは、7勝のタイタンズ、6勝のレイブンズ、5勝のビルズ、ペイトリオッツ、スティーラーズ、ブラウンズ、ベンガルズ、レイダース、チーフス、ブロンコス。北地区と西地区は全チームがこの中にいる状態。不調だったスティーラーズ、チーフスが今週はなんとか勝利。チーフスはパッカーズに勝利。QBマホームズは落ち着いていました。スティーラーズはそれほどすごい印象はないもののベアーズになんとか勝ちました。そしてタイタンズ。RBヘンリーをケガで欠き急遽、レジェンド的RBピーターソンを起用。守備の活躍もありラムズに勝利していました。
 NFCは、8勝のカーディナルス、7勝のパッカーズ、ラムズ、6勝のカウボーイズ、バッカニアーズ、5勝のセインツといったところ。もうこのままプレイオフ出場チームが決まっちゃうんじゃないかという印象もありますがまだわかりません。カーディナルスは、QBマーレーを欠き(ほかにも主力選手が欠場)、QBマッコイで同地区49ersと勝負。ラン攻撃がうまく出たこともありそつなく勝利。パッカーズはQBロジャースはコロナ陽性で欠場、QBラブでチーフスと対戦。自慢の守備も発揮したものの、FG失敗など惜しくも負けてしまいました。ラムズはタイタンズ相手でINTなどもされて前半でリードされてしまうとなかなか挽回できず負けています。わからないのがセインツで、とてもいい試合と信じられないぐらいダメな試合が混在しています。
 KPで見ると今週は、タイタンズ9点、ブラウンズ8点、カーディナルス8点、コルツ、チーフス、ラムズ、チャージャーズ7点といったところ。ブラウンズの8点は迷ったのですが同地区ライバルのベンガルズに快勝したので。コルツはジェッツ相手にRBテイラーのランやQBウェンツのミスのないパスなどで勝利しており印象的。ラムズ、チャージャーズとも試合は負けていますがチームとしてはかなり出来ていて減点が少なかったのです。
 Week10は、セインツatタイタンズ、シーホークスatパッカーズ、チーフスatレイダースに注目していますが、ビルズatジェッツの同地区対決もちょっと興味深いです。ビルズはどうもイマイチになってしまいペイトリオッツに追い上げられています。ジェッツは負けが込んでいますが時々いい試合をするので油断できない相手です。なお、パンサーズがQBニュートンと契約したと報じられました。

Week8を終えて

 全勝のカーディナルスはパッカーズと金曜日に対戦。このカードはプレイオフでも当たる可能性があります。互角の展開でどちらが勝利するかわからない試合となりましたが、最後のドライブで痛恨のINTを喰らって完結できなかったカーディナルスが負けてしまいました。パッカーズはQBロジャースの短いパスが鋭くRB28ディロンもいい動きでしたが、なんといっても守備が健闘しました。
 全勝チームはなくなり、NFCは7勝がパッカーズ、カーディナルス、ラムズ。6勝がカウボーイズ、バッカニーアズ。AFCは6勝がタイタンズ、5勝がビルズ、レイブンズ、ベンガルス、レイダース。4勝が6チームもあって混沌としてきました。
 KPも今回は辛口ながら、9点のラムズ。8点のパッカーズ、7点のビルズ、ペイトリオッツ、ジェッツ、タイタンズ、コルツ、セインツ、そしてカーディナルスといったところ。ラムズはテキサンズ相手とはいえほぼ完璧な試合運び。タイタンズとコルツは同地区対決で延長の末にタイタンズが勝利しましたが、ほぼ同じ出来映えに見えました。今週は「案外強いかも」というチームが目に付き、ラムズ、コルツ、ジェッツ、ペイトリオッツは今後も要注意ですね。そして昨季に比べてもう少し頑張ってほしいのは、チーフス、シーホークスでしょうか。次週Week9は注目のジェッツがコルツと金曜日に対戦。好調パッカーズはチーフスと。そしてタイタンズはラムズと対戦します。楽しみです。
※残念なことにパッカーズQBロジャースがコロナ陽性判定でチーフス戦は欠場との情報。最短でWeek10に復帰できるかどうか、ということです。

Week7を終えて

 激しい雨の中での試合などもあり、ケガ人によっていつものようにはいかないチームもあり、大変なWeek7でした。6チームがBYEで13試合が行われました。NFCはカーディナルスは無敗をキープ。6勝はラムズ、パッカーズ、バッカニアーズ。ライオンズはまだ勝利がありません。AFCは5勝がタイタンズ、レイダース、ベンガルズ、レイブンズ。注目は、同地区のベンガルズとレイブンズですね。KPでは、タイタンズ、バッカニアーズが8点。カーディナルスはきちんと勝てる相手にINTされて7点。パッカーズ、ブラウンズ、ベンガルズ、ラムズも7点。レイダースは6点。もうちょっと頑張ってほしいところです。AFC西地区で、いまレイダースがトップですがチャージャーズ、チーフスが続いています。チーフスはイマイチな状態ながら潜在能力はあるはず。チャージャーズはかなり元気がいい。レイダースが最後まで首位でいられるかはわからないでしょう。このままだとAFC西地区は優勝チームしかプレイオフに出られない可能性が高いです。Week18では、パッカーズ(7点)とカーディナルス(7点)と戦うので楽しみです。

Week6を終えて

 厳しい試合(見る側にとっても)が多くなった気もします。今週はBYEも4チームあり次週の休み明けが期待されます。
 先週最高によかったビルズがタイタンズにまさかの敗北。カーディナルスはブラウンズに完勝。今週の9点はカーディナルスのみ。無敗を守っています。8点はビルズ、タイタンズ、バッカニアーズ、7点はカウボーイズ、パッカーズ、レイブンズ、ブラウンズ、チーフス、ラムズとなりました。
 NFCは全勝のカーディナルスに続き5勝のバッカニアーズ、パッカーズ、カウボーイズ、ラムズ。カーディナルスの強さは突出しています。QBマーレーは動き、判断力、パスともに小気味よく、守備もいい働きをしています。バッカニアーズの安定感も見事です。パッカーズ、カウボーイズはこれからさらによくなるのか興味深いですね。ラムズも1敗の相手はカーディナルスで、同地区内ですからもう1度対戦があるので楽しみです。
 AFCは5勝1敗のレイブンズに続き4勝のチャージャーズ、タイタンズ、ビルズ、ベンガルズ、レイダース。圧倒的に強いチームはないものの、タイタンズには注目しています。RBヘンリーの生かし方によって爆発的な攻撃力を発揮します。ビルズとの接戦を勝利し、さらに自信を深めているかもしれません。QBタネヒルはまずまずなのですが、プロテクションのよさが目立ちます。このオフェンスラインはRBヘンリーの走路にも貢献していますので、いかにもアメリカンフットボールならではの強さを見せてくれます。今後も楽しみです。
 そして、まだいまいち乗れていないのは、チーフス。どう巻き返すのでしょうか。気になります。

Week5を終えて

 全勝はカーディナルス。1敗はNFC=ラムズ、パッカーズ、カウボーイズ、バッカニアーズ、AFC=ビルズ、チャージャーズ、レイブンズ。未勝利はライオンズ(惜しかったですね)、ジャガーズとなりました。KP(かきっとポイント)で高いチームは、ビルズ、バッカニアーズ、カーディナルスです。ミスの多いチームは勝利してもあまり点を高くできない、というのが基本的な考え。攻守のバランスの悪いチームも点は伸びない傾向です(あくまで目安)。試合のおもしろさとは別です。たとえばレイブンズは劇的な勝利でしたが、ほとんどの時間帯をコルツにリードされており、ミスも多い中でなんとか同点にして延長で勝利しました。試合はおもしろかったものの、7点以上はあげられない感じ。一方、大量得点をしミスもあまり目立たなかったバッカニアーズは8点。10点ではありません。それは相手がそもそも調子を落としているドルフィンズ(3点)だったからです。いまだ未勝利のジャガーズですが、週によって点が比較的いい(最高5点)のは、QBローレンスなどの優れたパフォーマンスを発揮する試合もあったからです。
 前季順位と大きく違ってきているのは、NFC東地区。カウボーイズが好調。NFC西地区は、シーホークスが不調で、カーディナルスが好調。ラムズも要注意。AFC北地区はブラウンズが好調で、スティーラーズが不調。レイブンズは4勝ながらも絶好調とは言えない。AFC西地区はチーフスの不調、他チームが好調。また地区内で熾烈なNFC南、AFC西にも注目しています。
(2021/10/13)

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