ひとりでもやれる!『実はとっても簡単! 儲かる輸入部門のつくり方・はじめ方』(大須賀祐著)

Merchant Seller Basket Position  - Reissaamme / Pixabay

 本書は、著者が長年築き上げてきた「輸入ビジネス」(著者の経営する株式会社インポートプレナーによって商標登録されています)を紹介しています。驚くほど詳細に、そして率直にその実現方法を公開しています。また各章ごとに、実際に輸入ビジネスに取り組んでいる人たちの声も入っています。
 シンプルで、わかりやすい内容なのですが、ここで何度も強調されるのは、「やるべきことをちゃんとやる」ではないか、と感じます。
 少人数(最小1人)で立ち上げて、輸入するビジネスで利益を上げ、長期にわたって継続する方法が書かれているのですが、同時に商売の原点に立ちかえって考えることを繰り返し強調しています。

いまだからこそ、商売の原点に立ちかえって考える

 たとえば、「利は元にあり」。100円で仕入れた商品に20円の利益をのせて120円で売る商売ではなく、100円で仕入れた商品を500円あるいは1000円で売ることを考えなければならない、というのです。
 悪質な商売(コロナウイルスによって引き起こされたマスクの転売などは典型ですね)を推奨しているのではありません。
 本書で強調しているのは、商売で得られる利益は、仕入れ時に決まる、ということです。だから「利は元にあり」。
 悪い喩えになりますが、1枚15円程度で売っていた商品を品不足だからと150円で売る、というのはなかなかに社会的にも認めにくいやり方でしょう。でも、同じ150円で販売している人がいて、片方は15円で仕入れ、片方は120円で仕入れていたとしたら、どう思いますか?
 品不足が解消されたり、規制によって価格が低下していったとき、すぐに赤字となってしまうのは、120円で仕入れて150円で売ろうとしていた人たちです。
 つまり、この本では15円で仕入れるために、なにをすべきか、ということを示唆してくれているのです。薄利多売は大規模な資本を投下してはじめて可能なことで、新規参入者や中小企業、個人事業主には最初からムリなのです。

ひとりでもグローバルな商売ができる

 さらに、これからの商売はグローバルに考えなければならないと教えてくれます。
 輸入で利益を上げる方法を、本書では2種類紹介しています。しかもとてもおもしろく。つまり、タイムマシーンに乗って「未来へ行く」か「過去へ行く」か。輸入ビジネスにはそれを私たちが選択できるのです。あくまでも日本が「現在」ということです。国内だけの商売は、現在から仕入れて現在で販売します。
 ですが、世界には日本の現在を起点にすると、「過去」にあたる国や地域もありますし、「未来」にあたる国や地域もあるのです。
 日本がかつて辿った道にある国や地域にいけば、いまの日本では高くて仕入れても利益の出ない商品や、もはや日本では生産していない商品を見つけることが可能になります。それを輸入してくることで、国内で調達する場合とは仕入れ値が変わります。
 そして未来もどこかにあるのです。未来からの商品は、いまの日本にはないのです。ないものを紹介することは、商売の醍醐味の一つでしょう。
「そんなこと、できるのか?」という疑問がわく話なのですが、本書ではそこを「できる!」と解説してくれています。それも、たったひとりでも、立ち上げることが可能だというのです。いますでにビジネスをしている経営者、これからビジネスをはじめようという人にも、できるというのです。

続ける仕組みが大事

 商売は「あきない(商い、飽きない)」と言われるように、続けることがとても重要です。その点でも本書はしっかりと説明しています。
 輸入ビジネスには最初から続ける仕組みが備わっていることがわかります。ここでは詳細には触れませんが、たとえば、よく言われるPDCAサイクルのような、手をつけて続けていくと、さらに次のサイクルに入る、といった循環する仕組みが備わっているのです。
 このことから感じたことは、商売は儲かるから続くのではなく、続けられる仕組みがあるから続くのです。「利は元にあり」も継続のために必要なことですし、事業としてのサイクルも継続の仕組みとして不可欠です。
 本書で取り上げた輸入ビジネスに限らず、みなさんのいまやっているビジネスには、この継続する仕組みがあるでしょうか?
 たとえば、アーティストのサイクルを考えてみましょう。そりゃ、ヒット曲が出れば一発で大成功するかもしれませんが、長く続けている人たちは続く仕組みを持っていますよね。
 まずはアーティストとして歌手なら歌が認められる必要があります。コンテストでもいいし、コアになるファンがいてもいい。次にライブ。聴衆を集めて発表できる機会を増やす。さらにライブ会場で販売する商品をつくる。聴衆やファンから一定の売り上げが計算できるようになれば、それに基づいたイベントなり新曲のキャンペーンが可能になります。それによって、さらに新しいファンが生まれたり、スポンサーがついたり……。このサイクルが続く限り、活動を続けることができます。
 どんな仕事もそうでしょうが、「お金をくれるからやる」では続かないのは明らか。くれなくなったら止めるでしょうし、他に稼げる方法があればそっちへ行ってしまうでしょう。
 つまり、「儲かるからやる」だけでは大切な信用や積み上げてはじめて価値の生まれる実績(キャリア)を築くことも難しいのです。儲かるだけではなく、継続する仕組みを意識したビジネスこそが、いつの時代にも強いビジネスになるのではないでしょうか。
 恐らく、アフターコロナの新しい生活においても、こうした商売の原点は変わらないでしょう。

目次

第1章 今すぐ輸入ビジネスをはじめるべき8つの理由
 50%を超える圧倒的に高い粗利益率 小が大に勝てるフェアな世界 低リスクで参入が可能 世界的な関税フリーの流れ など
第2章 価格を制するものが商売を制する
 赤字企業から脱却するには輸入をしなさい 御社の利益を11倍に!「利は元にあり」 原価と売価の間に決まりはない など
第3章 商品発掘とその価値の伝え方
 商品探しは直感が大事 自分の興味のある「好きな」ものを選べ! 商品は簡単なものを選べ! など
第4章 さぁ、輸入部門を立ち上げよう
 簡単にできる驚くほど結果が出るはじめ方 取引の流れを押さえる 日本人である、これが最大のメリット など
第5章 輸入部門を永続的に続けるには
 定期的に展示会に参加する 新商品を提供する 個人転売との決定的違い など
第6章 輸入部門の実務はカンタン!
 契約は表と裏がある 輸入手続きはフォワーダーに任せよう これだけは知っておきたい輸入ルール など
※各章の間には、実際に輸入ビジネスに取り組んでいる5人の経営者の体験談もある。
フェリストレード 未来プロダクツ ポーラスター リカトレーディングビューロー ハナエミグローバル

 

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ますもと・てつろう

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「かきっと!」の編集長です。記事もいろいろ書いています。

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